セルフイメージ

ルフイメージとは、自分が「自分のことをどう思っているか」「自分が自分のことをどういう人間だとみているか」ということを意味し、日本語では自己概念とも呼ばれています。人間は、生まれてからこれまでの人生で、さまざまな経験を通して、あるいは親や学校の先生、上司など自分にとって影響力のある人が「あなたはこういう人間だ」という言葉を信じることで、自分はどんな人間かを定義するようになります。

例えば、私は「頭が良くて優しいけれど、強さに欠ける人間で、パソコンが苦手」と思って生きてきました。つい4年くらい前までのことです。これまでの経験的に、学校の勉強はとてもよく出来たし、いろんな人から優しいねと言われてきたし、意地悪だねと言われたことなかったからです。母親からは、「慎也は心が優しいけれど反面強さには欠けるから、社長とかにはなれない」と言われてきましたし、東京で働いていた時の会社の社長で私のメンターからは、「秋山がパソコンを使うと壊れる」と言われてきました。だから、自分は力強さに欠ける人間で、パソコンを扱うことが苦手と思っていました。

ところが、今私は、パソコン一台で毎月100万円以上の利益を上げることができる社長で、自分の強い信念に基づいて、人生を切り開く強さを持っていると、自他共に認められています。

母からは、慎也は我が強すぎると言われるようになりましたし、メンターからは、パソコンを使った仕事を依頼されています。

セルフイメージ=嘘

よく私たちは、人はセルフイメージ通りの人間になると言われています。「自分は馬鹿だ」というセルフイメージを持っていたら、馬鹿として振る舞うし、自分で自分を馬鹿だと認めるので、馬鹿らしい行動を選択するようになり、馬鹿にふさわしい人生を歩むことになります。これは間違いのないことです。

例えば、私は思春期である中学から大学生の頃まで、「自分はモテない人間だ」と思っていました。身長は165センチ弱だし、頭はデカいし後頭部は絶壁で、髪は猫毛。男らしさに欠けるので、とてもじゃないが、彼女はできないだろうと思っていました。好きな人が出来ても、その人は私のことを好きになってくれないと思っていました。

その結果、恋愛に対して消極的になり、大学卒業するまで彼女なんて出来たことありませんでした。

一方で、私は人間的には優しくて思いやりがあり、面白い人間だと思っていたので、男女問わず友達はたくさんいました。でも、いくら好きになった女の子と仲良くなっても、自分から好きだと思いを告げたことがありませんでした。なぜなら、「私はあなたのことを異性として好きじゃない」と言われるのが怖かったからです。セルフイメージとして、自分はモテない、異性から見て魅力がないと思っているので、当然、振られると考えていたのです。

もちろん、ただ指をくわえてみていたわけでなく、好きな子と飲みにいったり遊んだりして、距離を縮めることはできました。でも、自信がないので、「彼女ができないんだ」と好きな子に言っては、「しんちゃんはおしゃれだし、おもしろいから、すぐに彼女できそうなのにね!」と言われては、「もしかしたらいけるかもしれない!」と思ってもすぐ、「やっぱりダメだろうな。。。」と思い落ち込むという繰り返しでした。

つまり、セルフイメージ通りの結果を作っていたのです。

経済状態もセルフイメージ

私は、小さい時から貧乏な家で育ちました。父は、タクシーの運転手で、母は私が中学生になるまで、専業主婦でした。家にはいつもお金がなく、貧乏で暮らすのが当たり前でした。ケチな考えが浸透していて、私の常識はすべて貧乏人の常識でした。買い物は、欲しいかどうかよりも、必要かどうか安いかどうかで選んでいました。

根底に、私にはお金がない、私は豊かではないというセルフイメージが形成されていったからです。

社会に出て東証一部上場会社に転職して、年収もそこそこもらえるようになっても、なぜかいっこうにお金が貯まりませんでした。決して無駄遣いをしているわけではなかったのですが、結果として、保証人になって借金を背負うような事態になり、返済が結構な額にのぼり収支を圧迫したからです。

保証人になって負債を抱えたことは、私の人生経験が乏しくリスク管理がしっかりと出来ていなかった産物なのですが、人間は自分の人生を自分のセルフイメージにあったように生きてしまうものなのです。一方で、私の妻は、大阪で生まれて大阪で育ち、社会人になって隠岐にIターンしてきました。年収が300万円を上回ったことがありませんが、金銭的に困ったことはありません。

常に、お金はなんとかなると思って生活しているので、収入は低いのに、お金に困ったことがないのです。そして、ちょくちょく飲みに行ったり旅行にいったりと人生を楽しんでいました。妻に聞くと、「私は経済的に恵まれていて豊かだから、お金に困ることはない」と信じて疑ったことがないとのことです。

妻のお父さんは、税務署で長年勤続した後、税理士として税理士法人の共同経営をしており、お母さんは大学病院に長年勤務した看護婦さんです。なので、実際に経済的に困ったことはなく、金銭的に豊かな感覚とセルフイメージをもったのでしょう。

そして、最終的に私と結婚して、より豊かな人生を手に入れています。ここでもやはり、セルフイメージ通りに人生を歩んでいると言えるでしょう。

まずセルフイメージあり、結果は後

基本的に私たちは意識しているいないに関わらず、自分のセルフイメージに合うように行動することになります。つまり、「私という人間」は、「セルフイメージ通りの人間」であるということです。

一方で、本来セルフイメージというのは、自分がただ「思うこと」「想像すること」「他者が言うこと」であり、元々事実ではありません。単なる想像であり、自分が規定するものでしかありません。自分で自分をどう見るかということであり、自分で自分を決めつけるものです。そして、結果、セルフイメージ通りの人間として行動するようになり、セルフイメージ通りの結果を人生に作ることになります。

逆に言えば、セルフイメージをしっかりとコントロールすれば、人生を自分の思い通りにコントロールすることができるということです。

例えば、あなたがお金持ちになりたいとしましょう。そうしたら、あなたが今仮に、どれだけ貧乏だったとしても、セルフイメージをお金持ちの自分にしていけば、必ず現実はお金持ちになります。しかし、貧乏な状態で、自分のセルフイメージをお金持ちとして規定して、保っていくことは容易ではありません。なぜなら、現実問題お金がない状態で、自分のことをお金持ちと定義して、そのように思い込むのはなかなかの困難を伴うものだからです。

人生を劇的に変えることができる人がいる一方で(貧乏人からお金持ちになる人など)、人生を変えることができない人も多くいて、ほとんどの人が後者なのは、こういった理由からだったのです。

つまり、今と違う人生を送ろうと思ったら、自分のセルフイメージを変えないといけない。けれど、今の状況とは違うセルフイメージを持つのは大変だから、多くの人は現状を打破できない。と同時にセルフイメージを変えることができれば、現状を変えることができる。

このように言うことができるわけです。

ではどうやってセルフイメージを変えたらよいのでしょうか。それは、次回お話したいと思います。