結婚生活においては、夫婦がそれぞれ持っている常識、それぞれが持っている考え方、価値観、これらの違いから、多くの人が苦労をします。
中には、そういった違いによって、自分は正しく相手が間違っているというふうに誤認して責めたり批判したり、責めたり、罰したりすることによって、喧嘩になって夫婦関係が悪化していくと言うパターンに見舞われている人も多くいます。
その中でも、最も致命的な影響を及ぼす事柄の1つが、配偶者と自分の親を比較して、配偶者が劣っているとジャッジすることです。
結婚において、親と配偶者を比較することは絶対にやってはいけないことです。
ここでは、どうしてあなたの親とあなたの配偶者が違うのか、どうしてあなたの家とあなたの配偶者を比べてはいけないのかについて解説していきます。
※以下の記事も合わせてご参照ください。
なぜあなたの親と配偶者を比べてはいけないのか
先ほどもお伝えしましたが、あなたの親と配偶者を比べることで、あなたと配偶者の関係性は激しく悪化します。逆の立場に立って考えてみてください。あなたがもし、あなたの配偶者の親と比べられて、あなたが劣ってると批判されたらどう思いますか。
この質問をすると反論のように、次のように言う人がいます。
でもこれは、大きな誤解です。もしかしたら、あなたは、あなたの親と配偶者を比べて、配偶者を批判しているのに、配偶者はあなたと配偶者の親を比べて、あなたを批判していないかもしれません。それは、あなたが配偶者の親と比べて劣っている点がないからではありません。あなたの配偶者が、良識をもってあなたに接してくれているからです。つまり、あなたの配偶者が配偶者の親とあなたを比較しないから、あなたは配偶者の親と比べて劣っているわけではないと言えるだけなのです。
人と人とを比較すれば、比較するポイントによって、それぞれすぐれていたり、劣っていたりするものです。すべての点において、どちらか一方が勝っているっていうことは絶対にありえません。
極端な事例で考えてみたいと思います。
絶対的な優劣なんて存在しない
例えば、Aさんは非常に要領が良くてテキパキ働ける人だとします。一方でBさんは、要領が悪くて所作さもゆっくりな人だとします。「要領の良さ」「物事をスピーディーにこなす」という観点からすれば、Aさんは、Bさんより優れているということになります。
ところが、要領が良くて、テキパキ働けるということが、常に優れたことだということはありません。文化や風習や条件においては、のんびりゆっくり物事をこなすほうがよいこともあります。例えば、比較的短時間で終えることが出来る作業を、たっぷりの時間をかけてこなすことがが重要な場合もあります。時間が余るとかえってロスが出るって言うケースもあるからです。
そのような、比較的ゆっくりと物事を進めないといけない場合においては、 AさんよりBさんの方が優れてると言うことになります。
このように、常に物事には表裏があって、 〇〇の方が常に確実に優れている、常に正しいと言う事はないのがこの世の中の通りなのです。
したがって、誰かと誰かを比較して、ある観点での優劣をジャッジして、「誰かより誰かの方が優れている、誰かの方が劣っている」と決めつけるのは誤りだと言うことができます。
これが他人であれば、付き合いを止めることもできますし、受ける影響も限定的です。ところが、 1番近い家族、特に親や配偶者や子供から、このように一面的な観点から比較され劣っていると判断され、批判されるのは、心にものすごく大きな傷を受けることになります。大きな傷を与えられた相手は、あなたのことが嫌になってくるでしょう。そうなると当然のことながら関係性が悪化していきます。
特に配偶者と言うのは、もともとは他人です。あなたとは全く異なる考え方、価値観を持って生きた存在です。なので、比較されて批判されて責められることで、簡単に関係性が壊れてしまうリスクがあります。(しかも、配偶者は自分と同じ考え方を持っているはずと誤認していたり、配偶者は自分と同じ価値観を持つべきだと誤った信念を持っている人は多いです。)
配偶者の方があなたの親より劣るてしまう理由
次に、どうしてあなたの配偶者があなたの親より劣っていると、あなたが思うのかについて解説します。それはきわめて簡単です。
あなたの基準が、あなたの親だからです。基準と比べて、優れているものなんて存在しません。
例えば、明石に日本の標準時間を示す時計があります。世の中には、さまざまな時計があって、正確さを競っている面もあります。でも、どんな優れた精密な時計であっても、日本国内で使う場合に限れば、明石の標準時間を示す時計よりも正確な時刻は存在しえません。なぜなら、日本の標準時間は、その明石の標準時間を示す時計だと決められて、基準になっているからです。
あなたは長らくあなたの親によって育てられました。父とは母とは何か。妻とは夫とは何か。これを学べるのは現在の教育においては、基本的には自分の生まれ育った家庭においてのみです。したがって、あなたの持っている家庭像・価値観は、あなたのお家庭によって作られたものであって、配偶者を含む他の人のもっている家庭像・価値観とは異なります。
当然、正しい間違ってるも違えば、良い悪い、好き嫌い、全て違います。父のあり方、母のあり方、夫のあり方、妻のあり方全部違います。だから、あなたの生まれ育った家庭(つまりあなたの両親が作った家庭)においては、あなたがを思い描く家庭像は100%正しいものといえます。なぜならあなたが生まれ育った家庭だからです。
しかし、あなたとあなたの配偶者が作る家庭は、あなたの両親が作った家庭とは異なります。なぜならあなたの配偶者も、あなたと同じように、あなたの配偶者の両親が作る家庭で育ったからです。それぞれが異なる環境で育ち、異なる当たり前、異なる常識、異なるただしさ・価値観を持っているからです。
あなたの作る家庭は、あなたと、あなたとは異なる価値観を持っている配偶者とで作る家庭です。あなたの両親が作った家庭を再現する場でも、あなたの配偶者の両親が作った家庭を再現する場でもありません。どちらか一方が正しいと言うものではなく、お互いにすり合わせて作り上げていくものです。
親と配偶者を比べないこと!
以上のように、親と配偶者を比べるのは、まったく論理的に間違ったことだということができます。そのことで夫婦関係を悪化させ、幸せな家庭を築きないとすれば、どんなに人生の貴重な機会ををロスすることでしょう。家庭が幸せでなければ、夫婦ともに家にいたくなくなります。外で仕事に集中できないことも起こりえます。幸せな気分を得られるチャンスを失います。
幸せな家庭はより良い社会生活を送るにあたって非常に重要な前提となります。また、そもそもの人生の目的ともなることです。
あなたからすれば、あなたの配偶者はあなたの親と比べて劣っているように見えるかもしれません。たしかにあなたの配偶者に落ち度があるのは間違いありません。誰しもが落ち度を持って生きているからです。欠点のない人間なんていないからです。
あなたは自分が配偶者の親に比べて劣っているところはないと思うかもしれません。でも、それはあなたの観点あなたの価値基準を基軸として考えているだけで、あなたの配偶者からすれば、あなたはあなたの配偶者の親より劣っているところはたくさんあるはずです。
だから、もうあなたの親とあなたの配偶者を比べるのをやめてください。
そして、自分の持っている価値基準こそ正しいのだと言う幻想を捨てて下さい。そして、相手の価値観をしっかりと受け止めてください。お互いのこうしたいと言う願望を持ち寄って、お互いの幸せにつながる家庭を築いていってください。
自分の正しさを貫いて不幸に生きるより、自分の正しさを捨てて幸せに生きた方が幸せになれることは科学で証明されています。
人は幸せになるために生きていることを忘れないでください。
【参照記事】
コメント