中学から寮に入る
2018年4月3日、息子が私立中学の寮に入りました。小学2年生に出会って、5年生から本格的に始めた卓球で強くなるためです。一流の卓球コーチになるために、全国から強い子が集まる強豪校に入ったのです。

ここに至るまでの間、本当にたくさんの葛藤と戦って、迷いに迷って、最終的に息子の希望通りに寮へ入れて、卓球をさせることにしました。

どんな迷いがあったかというと、次のようなものです。

息子を寮に入れるのを躊躇した理由

  • 中学から寮に入るのは早すぎるのではないか?
  • まだ自分のことを自分で出来るわけではないし、いろいろなことをわずか12歳で親元から離れて生活できないのではないか。
  • まだ二次成長もきておらず、反抗期にもなっていないから、成長に必要なプロセスをすっ飛ばすので、健全に成長しないのではないか。
  • 私と接する時間が減るので、成功哲学をしっかりと伝えることができなくなるのではないか。
  • 家庭で食べているご飯は、非常に無添加で栄養価が高い物を与えているので、不健康になるのではないか。
  • 私が生活リズムをしっかりと管理しているので、寮に入って、生活リズムや習慣が乱れてしまうのではないか。
  • とても甘えん坊なのに、親から離れて生活できるのか。
  • 卓球練習が激しくて勉強できる環境にないから、勉強をしなくなるだろうことはそれでよいのだろうか。
  • 周りの子は全国的に強い子たちなのだけれど、息子は島根では強いけれど、全国では全くまだ歯が立たないから、練習についていけるのだろうか。
  • 隠岐では一番卓球が強いけれど、強豪中学に進むと一番弱くなるだろうことに耐えられるだろうか。
  • そもそも、私自身が、息子とこんなに早く別々に暮らしたくない、離れたくない。
  • 一方で、次のような思いも持っていました。

寮に入れてあげたい理由

  • やりたいことをやりたいようにやらせてあげたい。
  • 自分で自分の道を切り開ける人間になってほしい。
  • 自分の好きなことをとことん追求させてあげたい。
  • 可能性や未来に制限をかけたくない。
  • 努力すれば、必ず道は開けるんだということを教えたい。

そこで、当初は、息子は強豪中学に進学して、私たち家族も近くに引っ越すという計画を立てました。家も探して、できるだけ中学校から近い場所で、一戸建てを見つけて、契約直前まできたところで、息子の体験入部がありました。

朝8時半から20時くらいまで練習して迎えにいった際に、監督の先生から言われたのです。

「寮は卓球部の寮で、強い子は皆寮だから、本気で強くなりたかったら家族で移住よりも、寮の方がよいですよ。」と。なぜなら、毎朝6時半〜皆でランニングしたり、強化合宿の際には、夜中まで練習したりできるからのようでした。また、卓球部の先生も、交代で寮に泊まっているみたいで、嫌でも絆が深まるだろうことは想像に難くありませんでした。

つまり、本気で強豪校で卓球をやりたかったら、寮に入るのがベストということになります。

砕かれた選択肢

息子にそのことを伝えると、「だったら寮にする。」と言いました。そこで、仮申し込みを入れていた不動産を一旦キャンセルして、そこからさらに数ヶ月迷いました。

息子は、簡単に寮に入るというけれど、自分で生活しながら過酷な練習をすることがどんなに大変かわからないに違いない。でも、息子は、入寮体験をしたり強化合宿に言っても、それでも寮に入りたいという。効果性という観点からいくと、寮に入れるのが確かにベストだろうけれど、いろいろとリスクは高いし、不安だし心配だし、寂しいし、はっきり言って、悩みに悩んで、迷いに迷って、まったく結論を得られませんでした。

ただ、強豪校に進学することだけは決めていたので、12月そうそうには受験をして合格して、入学金までは支払いました。

そうこうしているうちに、いよいよどうするか決めなくてはいけなくなって、1月中旬に息子の「信じて欲しい」という言葉を決めてに、うまくいかなかったら元に戻せばよいじゃないかということで、寮に入れることを決めました。

家を出で寮で暮らすという非常に寂しいデッドラインが4月3日に決まって、複雑な思いを抱えながら、小学校の卒業式を終えて、卒業旅行に言って、返ってきました。そして、ついに4月3日、息子は寮へと入りました。

ついに入寮当日

入寮当日
胸がつかえて、なんといっていいかわからない、本当に苦しい、悲しい、辛い、1日となりました。

一方で、実は2月から中学校の近くに、小さなマンションを借りて、いつでもそこに行ける状況を作っておきました。そうしたら、シャワーしかない寮だけれど、風呂に入れたり、外泊ができれば泊めることもできるし、ご飯を作ってあげることもできると思ったからです。

そうしたところ、4月3日に万全を期して寮に入りましたが、早速4月4日には足らないものが発生したので、持参することができました。本日4月5日には、長めの昼休みだったみたいで、一緒に昼ご飯を食べて、買い物にいくこともできました。

そうはいっても夜は寂しいみたいなので、たくさんラインをしますが、いつでも会える距離(道のりで600mのところにマンション借りたので)にいる安心感は、よいのではないかと思いました。

ここまで、一気に状況を書いてきましたが、このブログで伝えたかったことは、次のことです。

息子を寮に入れたから言えること

正直、まだこれからどうなるかはわかりません。きっと、ホームシックになることもあるでしょうし、もしかしたら、挫折して島に帰ってくるかもしれません。また、息子が寮に入ってから帰って、マンションで号泣したくらい悲しかったし寂しかったし、喪失感みたいなものが半端ないですが、私は次のとおり断言したいと思います。

もし仮に、子供が中学から寮に入って部活等をやりたいと言うのであれば、チャレンジさせてあげたほうがよいということです。

仮に失敗してもそれはひとつの経験にしかなりませんし、中学から親元を離れることがリスクにはならないと思うからです。それは、まだまだ未成熟な小学6年生の経験値の少ない思考で、望んだことであったとしてもです。

大きな大きなこのチャレンジの中で学べるこは、他で学ぶことはできないと思うからです。そして、チャレンジをして、乗り越える中で、ものすごい大きな大きな自信を持つと思うからです。

私は、高校生から寮に入って生活しましたが、後悔は一切なく、むしろ良かったことしかありません。それが中学からというより低年齢化して幼い状況から寮に入るのは、少し勝手が違うだろうと思いましたが、実際のところはそんなに大きく変わらないと思うのです。

もちろん、サポートやフォローは、より手厚くしてあげないといけないでしょう。また、いろいろな問題が起こる可能性も高いでしょう。そして、そもそもしっかりと小学6年生までに親が果たすべき役割(=完全なる承認など)をしっかりと果たして、子供に親の愛が伝わっておくことは前提として必要でしょう。

それらをひっくるめて、状況が許して本人が望むのであれば、中学から寮に入るのは、決して早いわけではないし無謀なわけではないと、確信している現在です。

ただ、最終的にどうなのかはこれから先、息子がどう育つかによって違うと思います。また息子にとってよいことは、必ず万人にとってよいとは限りません。しかし、ひとつの指標にはなると思いますので、「子供が中学から寮に入りたい」と言っていて迷っている家庭の親御さんの道標になるべく、また状況をこのブログでお知らせしたいと思います。

※ただし、子供が寮に入りたいと言わない場合は、無理矢理入れるべきではないと思います。