相対的貧困イメージ

妊娠している妻(7ヶ月になりました)が風呂上がりに、腰と背中が痛いというので、念入りにマッサージをしていたら、たまたまNHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」という番組の再放送が流れていました。国が見えない貧困の実態を調査して、対策に乗り出したというもので、相対的な貧困家庭の人たちがどんな生活をしているのか、教育にどんな影響を与えられているのか、あるいは相対的な貧困家庭に育った子はどんなデメリットを受けているのかといったことが報道されました。

一概にどうとは言えないものの、私が8年以上継続的に受講している自己啓発セミナーであるアチーブメント株式会社代表取締役でいらっしゃる青木仁志社長の言葉を借りれば、「無知はコスト」であり、「問題が問題なのではない。問題に対する捉え方が問題なのだ」ということだと思いました。そして、声を大にして言いたいと思います。

ちゃんとしろよ、大人!!

お金がないから、○○できない。時間がないから○○できない。ゆとりがないから、余裕がないから、忙しくてイライラしているから、○○できない、って全部言い訳だろ!!そして、学校の先生も、子どもにもっとまともな選択肢を与えろよ、話す相手は子どもじゃなくて大人だろ!そこ子どもに責任ないだろ!!

真実はどこにあるのでしょうか?貧困家庭が置かれた状況は事実なのでしょうか?私たちは何をどう考えて、どのように取り組めばよいのでしょうか。

正解なんてない

私の両親は、中学3年生の時に離婚しました。なので、高校生からは寮に入っていましたが、私は途中から母子家庭で育ちました。母の年収は200万円台。元々実父の稼ぎも悪かったので、そんなに大きく生活環境が変わることはなかったですが、非常に貧しかったと思います。そもそも両親が揃っていた小さい時から、いわゆる相対的貧困家庭で育ちました。それでも、私は国立大学を卒業して、就職することができました。実父のDVや貧困によって、いろいろな悪影響を受けたのは間違いありませんが、今は人生を自分の選択で立て直して、自分らしく自由で豊かで幸せに生きています。(貧乏な中でも愛情を持って育ててくれた母に心から感謝しています。実父は、一昨年脳梗塞で責任能力がない状態になったので、介護していますが、今では感謝しています。)

プロセスにおいてはいろいろなことがありました。私が隠岐にUターンして帰ってきた時には、月給14万円(≒年収200万円未満!)、バツイチのシングルファーザーで、観光協会の契約社員、借金の残債も600万円以上あって、毎月の返済額も10万円、とてもじゃないけれど、生活していけるレベルではありませんでした。

でも私は、決して貧乏に負けることはありませんでした。

アフィリエイトというインターネットビジネスに副業で取り組んで、3ヶ月で初報酬を得て、半年で月に10万円、その後月収100万円以上稼げるようになり、いまでは、東京の平均的なサラリーマンよりもはるかに多いお金を稼ぐことが出来る上に、自由な時間を謳歌して、家族と満ち足りた時間を過ごすことができるようなっています。

では、誰でもがアフィリエイトをやれば、成功できるか、経済の問題を克服できるかというとそうでもありませんし、逆に、アフィリエイト以外のことに取り組んでも、だれでも問題を克服しようと思ったらできるとも思います。

つまり、誰でもそんな状況を克服して、本当に望むような人生を歩むことができるし、方法はいくらでもあるということを言いたいです。けれど、それはそう簡単なことではありませんし、なみなみならぬ努力をすることが前提にあります。でも、逆に努力をし続ければ、必ず事態を好転させられると私は思います。

誰かのせいにして頼っている限りは無理

私は今回、NHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」をみて、複雑な思いを抱きました。というのも、この番組の中では、たくさんの「相対的な貧困家庭」が取り上げられていたのですが、その問題を社会の中に求めようとしたからです。人生は、自分に責任があり、今の現状の原因を自分以外のところにおくと改善できなくなるからです。

確かにこの番組は、社会の中における、一般的な事象としての貧困を扱っています。事実として相対的貧困家庭というのは、6人に1人もいるというデータがあり、今回はじめてその実態が調査されたと言われています。

そして、番組が伝える通り、シングルマザーだから、夫が病気だから、仕事がないから、経済的に貧しいのも間違いないでしょう。貧しいから子どもに満足な教育を与えられなかったり、進学の幅を狭めざるを得なかったり、子どもにバイトさせたり、仕事をたくさんしなくてはならず家を空ける時間が長くなり、子どもに寂しい思いをさせたり、旅行などの体験や本など、子どもが本来得られるべきものを与えることができなかったりするでしょう。イライラするから子どもに当たってしまうこともあるでしょう。また、学校の先生も個別に状況を把握できないから、お金がないから進学できないという子どもに、教育ローンを勧めてしまうのでしょう。

でも、なぜ、子どもにそんなに負荷を与えるんだ????

何か理由があったら、子どもに迷惑かけてもいいんか????

確かに完璧な親なんていない。大人である親だって、不完全な人間だと思います。思うようにならないことだってあるでしょう。もしかしたら、不幸な境遇の中で育ったかもしれません。

でも、その仕事を選んだのはその人だし、その環境を選んだのもその人。シングルマザーになったのもその人。社会のせいでその状況に陥っているのではありません。人生は選べるんだから、選んで、努力して、子どものために、何とかしようとするのが大人の、親の役割だと思います。これは、子どもの夢や希望や自己肯定感を奪っているのは、貧困なのではなくて、親の生き方だということだと思うんです。いろいろな言い訳をして、正当化しているだけなのだと思うのです。

確かにお金を稼ぐことはできない時もあると思います、どれだけがんばっても。私もお金を稼げなくて、お金がない時があったからわかります。でも、お金が稼げないんだったら、お金がないなりに工夫すれば温かい思い出を作ることもできれば、本だって買ってあげられます。そして、せめて寂しい思いだけはしないで済ますことができるはずですし、制度を使えば高等教育だって受けることができます。(実際に私も大学も高校も授業料、入学料全額免除してもらっていました。)

すべて、貧困のせいにしてはいけないと私は思います。そして、社会のせいにしてはいけないと思います。確かに、マクロな意味で、社会問題として取り組む必要はあると思いますが、「社会が悪いから貧乏になって、貧乏だから子どもに満足な教育や教育の機会を与えられない」と言い訳できる状況を作っては、人の可能性を潰し、努力をしなくなるので、いけないと思います。社会の実態として相対的貧困という問題があることは直視しつつ、大切なことは、当事者の親たちの考え方にアプローチすることだと思うのです。

もちろん、私にこの相対的貧困という問題を解決する具体的なアイデアがあるわけではありません。社会保障が、相対的貧困をカバーするのは非常に困難なことだと思います。完全に社会保障や社会のシステムの問題ではないと思うのです。

どうしたらよいか、子どもたちの自己肯定感が高くなる社会を作ることをミッションとしている私としては、今後の研究課題ができたと思いました。そして、相対的貧困家庭にある、親御さんにお伝えしたいと思います。

大人こそ、夢を持て!そして、全力で努力しろ!子どもと上質な時間を作れ!

それが、子どもたちの幸せのために最も大切だと思います。

※相対的貧困家庭とは何か、一方でいわゆる貧困である、絶対的貧困とは何かについては、以下の定義をご確認ください。

必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。

絶対的貧困率 とは – コトバンクより)

OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。

相対的貧困率 とは – コトバンクより)