182日目の景色

2回目の債務整理をする方法
務整理は、いずれの方法を選択しても、それ以降借金はしにくくなります。なので、少なくともすぐには2回目の債務整理をするような自体に陥ることはありません。でも、中には1回目の債務整理後にすぐ借金を重ねる人もいますし、一定の時間をあけて再度借金がかさむ人もいます。

 

そんな方に、実際に2回目以降も債務整理は可能なのか、任意整理、個人民事再生、自己破産、それぞれの債務整理を体験した後、2回目の債務整理ができるかどうか条件はあるかについてまとめました。

 

※基本的には、債務整理をすると、個人信用情報に「異動」情報が載るため、しばらく(異動情報が消える7年間の間)金融サービスは受けにくくなります。にもかかわらず、借金がかさむということは、非常に難しいことで、全体における割合は少ないのは間違いありません。しかし、ごくごく少数、そういう方もいますし、長年をかけて再度債務が増える人もいるのが現実です。

 

2回目の債務整理はできる?

2回目の債務整理できる?
債務整理をすると、借金の返済額が減ります。
つまり、債務整理するということは、借りたお金を当初約束した通りに返さないということ。
2回目の債務整理を考えている人も、1回ならまだしも、2回も債務整理が可能なのだろうか?と不安に思うのではないでしょうか。

 

とはいえ、もう二度と借金はしないと誓っていても、会社の業績悪化で給与が減額になってしまったり、突然病気で働けなくなってしまったりと、予期せぬトラブルは容赦なく襲いかかってきます。
生活のために借金をせざるを得ないこともあるでしょう。あるいは、気付いたらギャンブル等で借金がたまっていた・・・ということもあるかもしれません。

 

このようにして増えた借金を抱え、2回目の債務整理に至る人は、実はたくさんいるのです。

 

とはいえ、2回目の債務整理には期間制限などがある場合もありますので、1回目に選択した手続きに応じて確認しておく必要はあります。

 

1回目が任意整理の場合

そもそも、債務整理の種類としては、任意整理、個人(民事)再生、自己破産の三つがあります。
その中でも任意整理は、裁判所を介さずに、金融機関(以下、「債権者」といいます)と借金をした人(以下、「債務者」といいます)との話し合いで、借金の減免を合意する債務整理の方法です。
このように、法律上の制度に基づいた方法ではなく、あくまでも任意の方法ですので、期間などの制限は特になく、2回目の債務整理であっても比較的認められやすいです。

 

ただし、1回目の任意整理の途中で返済できなくなってしまい、2回目の債務整理をするという場合(1回目の任意整理で合意した内容で完済できなかった場合)には、理論的には再び任意整理にチャレンジすることはできるものの、実際には債権者が応じないことが多いです。
というのも、1回目の任意整理ですでに利息カット等の条件を十分に話し合っていたはずですので、それ以上に額や返済期間などの条件を緩めることは、通常は考えられないためです。
特に、1回目の合意をした当初から返済に行き詰まっていた場合には、債権者との交渉は非常に困難となるでしょう。
そのため、このような場合には、個人再生や自己破産など他の債務整理手続きを選択することが多いようです。

 

1回目が個人民事再生の場合

個人民事再生は、任意整理と異なり、裁判所を通じて借金を減額してもらう手続きです。
個人再生の中にも「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」という二つの方法があり、1回目にとった手続きがどちらであったかによって、2回目の債務整理の条件が異なってきます。

 

まず、1回目に給与所得者等再生を選択していた場合には、その再生計画認可決定が確定した日から7年間は、同じ給与所得者等再生の方法での個人再生はできません(民事再生法239条5項2号)。
これは、給与所得者等再生では、債権者の意見を聞くことなく借金が減免されるため、再び減免の利益を得るためにはある程度の期間を置くべきと考えられているためです。
なお、7年間はできないとはいっても、「再生計画認可決定が確定した日から」7年間ですので、たとえば5年間の弁済期間が設定されていた場合は、実質的には禁止期間は2年間だけということになります。

 

一方で、1回目に給与所得者等再生を選択していた場合でも、2回目に選択するのが小規模個人再生の方法である場合には、期間制限なくできます。
小規模個人再生では、給与所得者等再生と異なり、借金の減免を裁判所が決定する前に債権者の意見を聞くことになっているため、期間制限の面では縛りがないのです。

 

同様に、1回目に小規模個人再生を選択していた場合には、2回目の債務整理に期間制限は特にありません。

 

2回目が任意整理、自己破産、民事再生の場合

また、1回目の債務整理が給与所得者等再生と小規模個人再生のどちらであっても、2回目の債務整理が任意整理であれば、期間制限等はありません。
債権者が合意すれば、借金を減額することができます。

 

最後に、2回目の債務整理として自己破産を考えている場合は、一部注意が必要です。
1回目の債務整理で給与所得者等再生を選択していた場合には、7年以内に自己破産を申し立てても、裁判官が特別に免除の判断をしない限りは、原則として借金の返済が免除されません。

 

以上、1回目の債務整理として個人再生を選択した場合をみてきましたが、どのパターンの場合であっても、一度借金が返せなくなってしまった経歴がある以上は、1回目の債務整理よりも、債権者との交渉や裁判所の判断が難しくなる傾向にあることには変わりありません。

 

なお、以上は1回目の個人再生がうまくいった、つまり1回目の個人再生で決められた返済計画に沿って完済できた場合の話です。
1回目の個人再生の途中で返済が滞ってしまった場合には、再生計画を見直して返済期間を延長する方法と(民事再生法234条)、以下の要件を全て充たして、それ以上の返済の免除を受ける方法があります(ハードシップ免責、同法235条)。
いずれも難しい場合には、自己破産等の他の方法を検討することになります。

 

  1. 再生計画の遂行が極めて困難であること
  2. 再生債務者に帰責事由がないこと
  3. 計画弁済を要する各再生債権について既に4分の3以上の額の弁済を終えていること
  4. 免責決定が再生債権者一般の利益に反しないこと
  5. 民事再生法234条に基づく再生計画変更が極めて困難であること

 

1回目が自己破産の場合

自己破産も、裁判所での手続きである点は個人再生と同じですが、借金の減額ではなく免除までされる点が特徴です。
このように、自己破産の効果は大きく、一度そのメリットを受け取っている以上、2回目の自己破産には期間制限が設けられており、自己破産を再び申し立てても、7年間は借金を免除してもらうことができません(破産法252条1項10号)。
ただし、7年以内であっても申立て自体はでき、裁判官の判断によっては、返済が免除されることもあります(「裁量免責」といいます。)。

 

なお、7年経った後の自己破産申立てであっても、裁判官は厳しめに判断する傾向があります。
リストラや病気など、よほどの事情がなければ、なかなか免除は認められないでしょう。

 

2回目の債務整理として個人再生を行う場合には、1回目の自己破産の免責許可決定(借金の免除が決まった日)から7年間は、申し立てをしても認められません。

 

2回目の債務整理は全体的にキツい印象

2回目の債務整理はきびしい
以上のとおり、1回目に選択した債務整理によっては、特に制限なく2回目の債務整理を受けることができます。

 

とはいえ、どの選択肢であっても、1回目の債務整理よりハードルが高くなることは間違いありません。
冒頭で述べたとおり、債務整理をすることにより、借りたお金を返すという約束を多少なりとも破ってしまうことになるため、これを繰り返すことを何の制限もなく認めるわけにはいかないからです。

 

そもそも、債務整理を行うと一定期間いわゆるブラックリストに載ることになるため、借金自体ができなくなるはずです。
にもかかわらず借金を繰り返してしまう原因には、もちろんやむを得ない事情もあるかもしれませんが、根本的にはギャンブル依存など、様々な問題が背景にある可能性もあります。
債務整理を始める前に、なぜ借金を重ねてしまうのか、その原因をよくよく考える必要があるかもしれません。

 

債務整理は回数制限はない

結論として、債務整理には、再度申し立てるまでの期間制限などはあるものの、回数制限はありません。
門前払になるのでは・・・と一人で抱え込まずに、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
1回目の債務整理を依頼した弁護士であれば、事情が分かるので話が進みやすいでしょうが、後ろめたい気持ちなどがあり相談しにくいという人もいるかもしれません。
そのような場合には、別の弁護士に相談することも可能です。

 

3回目、4回目はしないように

すでにお伝えしたとおり、2回目の債務整理は難しい傾向にありますが、それ以上に回数を重ねると、事実上債務整理は不可能と言ってもよいくらいの難しさになります。
債務整理は何度でもできるはずだと思って気を緩めていると、後々大変な思いをするかもしれません。
そうならないように、2回目の債務整理までに借金の原因をしっかり分析し、生活の改善などに努めるようにしましょう。

 

まとめ

2回目の債務整理をする方法まとめ
2回目の債務整理を行う場合の条件をみてきました。

 

1回目が任意整理であれば、2回目に特に制限はなく、比較的認められやすいです。1回目が個人再生のうち給与所得者等再生であれば、2回目に給与所得者等再生や自己破産を申し立てるには7年間の期間制限があります。1回目が自己破産であれば、2回目に自己破産や個人再生をするには7年間の期間制限があります。

 

いずれの場合も1回目の債務整理よりハードルが高いため、少しでも有利に交渉を進めるためには、早めに弁護士へ相談しましょう。

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