最も大きな支出、住宅ローン
多くの方の家計において、もっとも大きな支出であることが多いのは、住宅ローンです。総務省統計局による「家計調査結果」によると、30歳未満の方の家計における住宅ローンの占める割合は、17.4%、30代で18.6%、40代で15.3%になっています。
さらに、マンションであれば管理費と修繕積立金の支払いがありますし、一戸建ての場合だと将来のメンテナンス費用を自分で積み立てておく必要があるので、実質修繕積立金程度の支払いが(みなし)発生していることになります。
さらに、マンションだろうと一戸建てだろうと、年間数万円~数十万円程度の固定資産税・都市計画税が課税されます。
つまり、多くの住宅ローンを組んでいる方が、収入の20%程度を住居費に使っていると言うことです。
これは、賃貸住宅に住んでいる方でも同じことがいえ、家賃の平均は、おおよそ手取り収入の20%程度です。
これは、支出の中でももっとも大きな割合を占めるといってもよいではないでしょうか。(※ここでは、家計≒可処分所得として計算しています。可処分所得といのは、手取り収入のことです。)
もし今の住環境を変えることなく、この住居費を削減することができたら、いかがでしょう?大きく節約できると思いませんか。
しかも、毎月1万円つまり、年間12万円、10年間で120万円もの支出を抑えることが出来たとしたら、どうでしょう。
この浮いた1万円、12万円、120万円をあなたはどう使いますか?
もしかしたら、苦しい生活費を補填するのに使えるかもしれません。
あるいは、趣味や旅行などの楽しみに使ったり、将来の教育費に積み立てることもできるかもしれません。
いずれにせよ、多少の手間がかかっても住環境が一切変わらないのであれば、支出は1円でも少ない方がよいと考えるのは、みなさん同じだと思います。
住宅ローンは、お金を借りて支払うだけの仕組みなので、住環境には一切影響を与えることなく、支出を減らすことができる項目です。
金利が安い今こそ、住宅ローンを見直してみましょう。
史上最低金利を更新した今は、住宅ローン見直しの最大チャンス
日銀が2016年1月29日にマイナス金利を発表してから、住宅ローンの金利は下がり続けています。
銀行は、顧客から預金を集めて、一部を留保しつつ、ほとんどを運用していますが、運用分の一部は日銀に預けています。
ゼロ金利の時は日銀にお金を預けていても、お金は増えもしないし減りもしないのでよかったのですが、マイナス金利なってからは、日銀にお金を預けると、なんとお金を取られるという結果になってしまいます。
そのため、現在銀行は、お金の運用先として、融資先を積極的に探していますが、ここ数年はリスクの低い住宅ローンにお金が回っている中だったので、住宅ローンの競争が激化して現状の住宅ローンの変動金利は、平気で1パーセント未満になっています。
2016年10月現在、マイナス金利は継続されており、今後住宅ローンの金利が上がる時というのは、日銀がマイナス金利をゼロ金利以上に上げたときになろと想定されます。
金利を上げるときというのは景気が向上して、市場にお金が出回ってインフレしている状況になるので、東京オリンピックまでの間にマイナス金利は解除される可能性があるので、いまのうちに住宅ローンは借り換えしたほうがよいのは間違いありません。(のちほど、その効果を実例で紹介します。)
また、現状住宅ローンの金利が1%を切っている状況の中で、これ以上金利が下がることはあまりありませんので、底値という意味でも、まさに「今」が住宅ローン組むタイミングだということになります。
住宅ローンを組み替えたときの節約金額
もしあなたが、住宅ローンを切り替えたとしたら、いったいどれくらいお得に節約できるのでしょうか。
どれだけ節約できるかは、現状組んでいる住宅ローン金利が何%で、いくらの元金を何年のローンにしたかによって異なります。また、住宅ローンを借り換えるには、保証料や金融機関の事務手数料や司法書士の手数料、担保設定料などの諸費用がいくらかかかってきます。
一般的に、住宅ローンを諸費用を出してまで組み替えて、メリットが出るには、あくまでも目安ですが、次のような条件に適合している必要があると言われています。
- 住宅ローンが終わるまでの期間が10年以上残っていること
- 住宅ローンの残債が1,000万円以上あること
- 現在組んでいる金利より新しい金利が1%以上安いこと
多くの住宅ローンが、元利均等方式の支払いになっていますが、これはその毎月同じ支払い額の中で、毎月の残債に年利を12ヶ月で割ったものを利息として計上して、残りを元金の支払いに充当するものです。少しわかりにくいと思いますので、具体的な事例で紹介しましょう。
例えば、住宅ローン3,000万円を組んでいて、年利2.4%、35年支払いしていたとします。
そうすると、毎月の支払いは、105,647円となります。
そうすると、最初の支払いは、金利が3,000万円×2.4%÷12=60,000円で、元金に充当される金額が、45,647円ということになります。
これが、毎月どんどん繰り返されていき総支払額は、44,371,635円となり、利息負担は14,371,635円となります。
ではこれが、年利が1.2%安くなって、年利1.2%、同じ3,000万円を35年で元利均等方式で支払う場合どうなるかというと、次のようになります。
毎月の支払いは、87,510円になり、最初の支払いは、金利が3,000万円×1.2%÷12=30,000円で、元金に充当される金額が、57,510円円ということになります。
これが、毎月どんどん繰り返されていき総支払額は、36,754,301円となり、利息負担は6,754,301円となります。
なんと、金利が1.2%下落するだけで、毎月の支払い額は18,137円節約できることになり、利息の総負担額は、7,617,334円お得になる、ということになります。
このように、住宅ローンの金利は安くても、高額長期にわたるため、馬鹿にできないわけです。もしあなたに700万円お金が浮いたら、どうしますか?いろんなものが買えたり、我慢をしなくて済んだりしますよね?
もちろん、すでに住宅ローンを組んでいる場合は、残り期間と残債、現状の金利との差を調べる必要があり、諸費用は住宅ローンに組み入れることができるのですが、トータルでどのくらいお得になるのかを試算して、その上で借り換えをする必要があります。具体的にあなたが住宅ローンの見直しをされる前に、すでに組み替えをした人のケースを見てみることにしましょう。
これは、5年前に30年固定で年利2.5%で2,000万円借りていた人が、年利0.975%の変動金利に切り替えた場合をシミュレーションしたものです。(もし今借り換えないで、10年後に借り換えた場合のシミュレーションと併せて3パターンです。)
出典:りそな銀行ホームページ
以上の実例をみても、毎月の返済金額が12,837円浮いていることがわかります。このように、今は住宅ローンを借り換える絶好のチャンスということができるわけです。
どこでどの住宅ローンを組めばいい?何からはじめる?
では、変動金利がよいのか、固定金利がよいのか、あるいはどの銀行のどの住宅ローンを組んだらよいのでしょうか?
現在の住宅ローン市場は、都市銀、地方銀行、信用組合、フラット35に加えて、住信SBIネット銀行や楽天銀行、じぶん銀行などネット銀行が進出してシェアを拡大しており、選択肢がたくさんあります。
金利方式も、変動金利から、3~10年固定、フラット35の35年固定や50年固定、固定と変動の両方を組み合わせたものなど、商品によってさまざまなものが用意されています。さらに、ローンを組んでいる方に万が一の事があった際に、残債が免除される団体信用生命保険も、いろいろなものが出てきている状況です。
そんな中で、どこの住宅ローンがよいか検討するのは困難です。また、今後金利情勢どうなるかもわかりませんので、ある程度の長期的な方針を持ってローンを組み替えを検討するほうがよいと思います。(例えば、私なら金利の安い今のうちに変動金利でどんどん残債を削っておいて、マイナス金利がゼロ金利以上になったタイミングで固定金利に切り替えます。)
なので、いろいろな銀行の住宅ローンサービスの中からもっともよい住宅ローンを比較検討するのがよいということになります。従来は、各銀行の資料を取り寄せて、営業マンに状況を話して、仮申し込みをして、比較検討する必要がありましたが、今はなんと無料見積もりのように住宅ローンも一括申し込みをすることができるようになっています。
一括申し込みサービスとは、さまざまな銀行の住宅ローンに一括見積もりをして、審査が通るところの中からもっともよい条件の商品を探すことができるサービスです。もちろん、シミュレーションした結果、メリットが少なそうだったらローンを組み変える必要はありませんが、従来に比べると格段に簡単に比較検討することができるようになりました。
電話一本で、比較検討することが可能です。このサービスは、モゲチェック・プラザというYahoo!などからの出資で運営されているサイトが行っていて、銀行の厳しいコンプライアンス管理の中、厳格な個人情報保護の元、提供されるサービスです。比較できる銀行も、700ものプランの中からあなたにあったプランを探し出してくれるので、非常に楽に、そして確実によい住宅ローンを見つけることができると思います。
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