成長のイメージ写真

人は、段階を経て成長していくものです。

子供の身体的な成長過程を見ると、顕著にわかると思いますが、結局のところ大人も精神的レベルも同じです。子供は、何もできない無力な状態で生まれてきて、首が据わって、ようやく寝たきり生活から解放されます。そのうち、寝返りをしはじめて、ハイハイをして、つかまり立ちができるようになります。つかまり立ちができるようになったら、1人で立つことができるようになって、歩き出します。最初は、一歩二歩が精一杯。でも、徐々によちよち歩けるようになって、最終的には走れるようにまでなります。

このように、人間は原理原則に則って、段階を経て成長していくものです。子供の身体的な能力については、上記のように段階を追って成長していくことは自明の理として、多くの人が理解していますが、大人を中心として(子供も同様ですが)精神的な成長も段階を追って進むものだということは理解されていません。

段階的な精神的成長

精神の成長も身体的な成長と同じく段階を追って進みます。精神の世界は目に見えず、その人の行動や言動を通してしか理解することができないので、直接的に精神の成長レベルを把握することは困難です。精神学の世界でも、さまざまなカテゴライズがあるので、身体的な成長と同じように単純明快に解説することはできません。

しかし、完全なる依存状態からはじまって、思春期で反抗期を迎え、青年期、壮年期とどんどん精神世界も確実に成長していきます。依存状態においては、満足がいく完全なる承認状態を経験することで、まずは自立のための精神的な安定がもたらされます。次に思春期で自立への欲求が高まり、この時期には一定の範囲の元で自己責任である程度の自由が容認されることで、人は自立へと向かいます。青年期では、一定レベルの挫折を経験することで、それを乗り越える力を養っていきます。

この精神的な成長段階については、先にもお伝えしたとおりに、目に見えません。つかまり立ちできていない子供が、翌日いきなり歩き出すことができないのと同じように、依存状態における承認欲求が満たされてない人は、40歳になっても真の自立をすることはできません。

多くの人は年齢や立場をみて、「相応の」精神レベルを求めますが、実は年齢問わず、精神レベルは「それまでの経験による成長段階」のレベルにあります。従って、私たちは身体的な成長をしっかりと経るのと同じように、精神的にも段階を追って成長することが必要で、段階を追った成長のためには、順序よく「今あるstage」からステップアップしていくことが大切になります。

相手がどんな精神レベルにあって、どう対処すべきか

十分に精神レベルが成長していない人に、自立や貢献を求めて、満足のいく結果は得られません。あなたにもストレスがかかりますし、相手にもストレスがかかります。まずは、その人の精神レベルをしっかりと把握して、過去どんな経験が足らず、満足のいく精神的なレベルに到達していないかを把握する必要があります。

例えば、以下のような例を参考にしてみてください。

私のお客様で40代の男性がいらっしゃいます。サラリーマンをやっていて、ある一定の職責を担っているのですが、精神的に不安定で、本人も大きなストレスを抱えて生きていましたし、周囲の人をもたくさん振り回す結果を作っていました。

十分な時間をとって話を聞いてみると、その方は条件つきの承認を受けて育っており、完全承認の経験が少ないことがわかりました。(※ここで重要になるのは、親が本当に条件つきの承認しか与えていなかったのか、ということではなく、少なくとも本人は、そのように感じていただろうということです。この場合、受け手が「どう感じるのか」が結果に対する影響のもっとも大きな要因であり、すべてであるということになります。どれだけ完全承認していたとしても、受け手がそう感じなかったのなら、それは完全承認ではないというわけです。)

アフィリエイトでお金を稼いで独立したいという希望で、私のBeingMeプロジェクトに参加下さった方だったのですが、安定的に作業を継続したり、話を聞いて、きちんと学ぶべきことを学ぶことができなかったりしたため、成果がなかなかでませんでした。なぜ、言われたとおりに作業をすることができないのかと、やりとりを通して分析していくと、人からどう思われているのかばかり気にして、本当に気にすべきこと(自己管理や学ぶべきこと)にパワーを注力できていなかったのです。

これでは、どうしようもないと思い、方針を変えることにしました。まずは、完全承認状態を作り、心の安定を作ることから始める、ということです。

このように、人は年齢や職責ではなく、それぞれの人生の出来事によって、精神的な成長レベルは大きく変わってきます。そのため、「もう40歳なのに!」とか、「これくらいできて当たり前だろう」と思ってしまうようなことが、できない人が多くいます。そういう状態になると、往々にして私たちは、イライラしたり、立腹したりすることもあるでしょう。しかし、まだ立てない子供に、いくら歩けと行ったところで歩くことはできないので、しっかりと相手のレベルを見て、その人に合わせた関わり合いを実行して頂けたらと思います。

人の精神的な成長には、強い決意と忍耐が必要です。地に足をつけて、急がず焦らず、一歩一歩前進して頂けたら幸いです。