必ず誰にでもやってくる老後に備える「老後資金」。
ライフスタイルや価値観、その人の事情によって必要か必要でないかは異なりますが、「住宅資金」と「教育資金」。
これらのいわゆる人生の3大出費に準備万端で立ち向かうにはどのようにすればいいのでしょうか?
できれば、正直なところ、初めからそんな大きなテーマを掲げると大変そうだから、まずは「節約」の基本を身につけて、日々の生活もプチ充実させることができたら嬉しい。
筆者も最初は「自分なりの節約の方法を見つけよう!」「先取り貯金をしよう!」からでした。
そのために、しっかりと家計をやりくりして、抑えるべき支出は確実に抑えたいですよね!
そんなあなたに究極の家計のやりくり術をご案内します。
貯金や貯蓄を殖やしたいのに給料日前になると毎回ほとんどお金が残っていない!
こんな状況になってしまうのにはきちんとした理由があるはず・・・
そんな方に家計をやりくりしてしっかりと貯金をする具体的な方法をご紹介します。
家計の内訳をつかもう
まずは、現状把握から!現在の家計の内訳をつかむために、家計簿をつけて分析をしてみましょう!
- 現状把握・・・きっとそれなりにでもできていたら毎回ハラハラの給料日前を迎えていないかもしれません。
- 家計簿・・・3日坊主の代表格でしょうか!?思い立ってコンスタントにつける習慣をつけるのはかなりハードルが高いことが予想されます。
支出は大きく分けると「固定費」と「変動費」に分かれます。
「固定費」は家賃や住宅ローン、生命保険、税金、奨学金の返済分、幼稚園代や塾代などの教育費、場合によっては月々定額の携帯・スマホの利用料金など毎月固定の金額の支払いがあるものをさします。
一方で食費、日用品費、水道光熱費、被服費、交際費、レジャー費など月によってその費用が変動したり、存在したりしなかったりというような費目を「変動費」と言います。
まずは固定費を調べよう
まずは、調べるのが簡単でハードルの低そうな「固定費」を年払い分、月払い分に分けて書き出してみましょう。次は「変動費」です。
「変動費」も月ごとに大きく金額が変わってくる例えば冠婚葬祭費、医療費、被服費、レジャー費等と毎月必ず発生してかつ毎月の金額に大きな変動のない食費、日用品費、水道光熱費等に分かれてきます。ポイントはあまり項目を増やし過ぎないことと1円単位にこだわらないことです。
細かくすればするほど、面倒になって3日坊主一直線です。
筆者が悩んだ仕分けは外食費と被服費でした。
今では例えば高校合格お祝い外食や少しリッチ気分なクリスマス外食ならばレジャー費扱い、疲れてしまったから今夜は食べにいくことにしたというような外食は月々の食費扱いです。
毎年買うわけではないスーツやコートなどは被服費、毎日着て確実に買い替えがある下着などは日用品費にしています。
このあたりの仕分け方法に正解はないので、発生する頻度を目安に自分なりの考え方を固めてしまうのが迷わないコツです。
食費はお米と外食費とそれ以外(調味料こみ)、自宅で飲まれる方はお酒費くらいで大丈夫です。とにかく目標は家計の全体像を把握することと続けることですからね。
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集計をしたものをまとめよう
さて、数字が出揃ってきたでしょうか?
では、用紙を2枚用意して、1枚目には月々の費用の項目を固定費部分と変動費部分に分けて、並べてみましょう。
年払いの固定費や毎月発生するわけではない変動費は2枚目に分けて書いて別々に考えます。
現状が分析できたところで何にいくら使うかを決めていきます。そうすることで、毎月の貯金可能額がみえてきます。
予算を作ろう
では、ここで予算作りをする前に参考資料として各媒体にて多くの赤字家計を再生した実績をもつ著名なファイナンシャルプランナーである横山光昭氏がご自身のご経験を基に提唱していらっしゃる「家計の黄金比率」をご紹介させて頂きます。
「黄金比率」を一言でいうならば、「収入に対する支出の理想的な割合」ということです。
バランスの良い予算は家族構成によって違ってくるので、あくまでも目安としてとらえて頂くのがいいかとは思いますが、悩んだ時には大いに参考になるかもしれません。
- 食費15% 水道光熱費6% 日用品2% 嗜好品費1% その他3%
- 医療費1% 交通費2% 被服費2% 交際費2% 娯楽費2%
- 住居費25% 生命保険料4% 小遣い8% 教育費4% 通信費5%
- 預貯金18%
さすがに割合だけではイメージが湧きづらいので、厚生労働省のHPで公表されている平成28年国民生活基礎調査の概況における「各種世帯の所得等の状況」の「所得の分布状況」に記されている平均所得金額545万8千円をベースに考えてみましょう。
平均所得金額は少数派の高収入者層の数字に押し上げられている部分があるとも言われていますが、さらに資料を読み解くとこの数字には様々な種類の所得が含まれていることが分かります。
その中のひとつ、雇用者所得は「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計額をいい、税金や社会保険料を含む」とあって400万に満たないのです。
そこまで考えると一見多そうにみえた数字が実態に近づいてきたような気がしますね。
では、あまり細かい数字ですと計算がしづらいので源泉税や社会保険料が引かれたあとの手取り月収を25万円として計算してみましょう。
バランスのよい予算の事例
代表的なところですと住居費(家賃)6.25万円、食費3.75万円、通信費1.25万円になります。
さあ、集計したご自身の家計と比較してみていかがですか?
感覚的に決めた家賃がやけに高く感じてみたり、本能のままに使ってきた食費はオーバー、スマホ代にいたっては大手キャリアですとこの金額ではふたり分にも届かないかもしれません。
貯蓄は4.5万円。一度契約してしまうとあとはひとりでに積み立てられていく会社の財形制度やもしくは金融機関の自動積立定期預金などにすぐに振り分けられていますか?
教育費1万円はお子様ひとりの幼稚園代にも届きません。
水道光熱費は1.5万円。暑さに負けて無自覚に夏場にクーラーを使うと電気代だけで届きかねない金額です。
生命保険料1万円は保険会社の方に言われるがままに契約をさせられていると多分かなり予算オーバーしていると思われます。
けっこうシビアな現実がみえてきましたね。ひとつひとつを見比べて数字が黄金比率内に収まったものはいくつありましたか?
「・・・ないかも・・・。」
そこでがっかりする必要もあきらめる必要もありません。気が付いたその時に修正をすればいいだけの話なのですから。
ただ、やみくもにそれぞれの費用を落とすために契約を見直し、あるいは買い方に工夫をし、クーラーを扇風機の風に切り替え、安易に自動車で買い物に行かず自転車を使う・・・ひたすら、削るだけの節約の日々。そのうち、気持ちが疲れてきそうな予感がします。
目標設定が重要
ここで発想を切り替えて、現状を踏まえたうえでいつまでに、なんのために、いくら貯金をしたいのか、すればいいのかを明確にして、それを達成するためには毎月いくら貯めればいいのかを考えてみませんか?
そう、目標設定をしてしまうのです。
やはり、家族と幸せに暮らせる夢のマイホームの頭金が一番にあがるでしょうか?
目標は具体的なのが一番。かつ、ゴールが明確ならもっと良いでしょう。
「やっぱり、小学校にあがったら転校はできるだけさせたくないから、入学前には不動産を手に入れたいな・・・あと、5年頑張ろう!」
そして、自分ひとりで頑張るのではなく、奥様が立てた「マイホーム頭金に向けた節約大作戦(仮)」にだんなさまもなるべく巻き込んでしまうのがコツです。
2016年7月に住宅金融支援機構調査部が公表したフラット35利用調査によると、購入した不動産の種類(新築か中古か、住宅かマンションか等)によって手持金の金額も不動産価格に占める割合も違いますが、一般的には不動産価格の2割+αの準備が必要と言われています。
+α部分は種々の手数料だったり、引越費用だったり、追加購入する家具家電費用をイメージして下さい。
販売実績が欲しい不動産会社は少ない頭金でも、もしくは頭金がゼロでも購入可能と声をかけてきますが、現実問題としてお子様がいらっしゃる家庭ならお子様の成長とともに確実に教育費(子供関連費)はあがっていきますので、月々のローンが重く感じるようになっていきます。
ですから、頭金は多いに越したことはありません。
目標が決まったら計画化=予算
さあ、いつまでにいくら貯金しようという明確な目標が決まりましたでしょうか?
それを達成するためには毎月いくら貯めればよいか設定しましょう。
黄金比率の月々の貯蓄額の割合は18%でしたね。ボーナスが出る方はボーナスも最低同じ割合以上はまず取り分けてしまうくらいの心構えが大事です。
ボーナスは減ることはあっても、増えることのないもの、もらえたらラッキーのスタンスで、間違っても月々の赤字をボーナスで清算しようと思わないことです。
年払いの生命保険料でしたら、月々の割合分を貯めておいて払えばいいだけの話です。
年払いだからボーナスをあてにするという考え方は捨てましょう。被服費も同様です。
ボーナスと同じタイミングでバーゲンセールがあるからボーナス払いにするという考え方は貯まらないもとです。
やはり月々の割合分を貯めておいてその範囲内で必要最低限のものを買い足せばいいのです。
まず貯金して余ったお金で生活すること
「まず貯金して、余ったお金で生活すること」これが家計やりくり術の神髄です。
先に貯金してしまった分はもうないものと思って生活をする習慣をつけることです。
ライフステージにはお金の貯め時がいくつかあると言います。
主婦歴20年を超える筆者の場合、上の子が幼稚園に入るまでがその第一段階でした。それだけ月3万円を超える幼稚園代は重かったです。
そして、上の子が小学校に入った年に不動産を手に入れました。
それまでの数年間、年間貯蓄割合は20%~25%を推移していました。
厚生労働省の調査結果にあるようないたって平均的な家計だったので、ものすごい高収入だったわけではありません。
お給料が入ったらまず貯蓄分を抜いて、生活費口座とは別の金融機関に預けてしまっていました。
ボーナス分もしかりです。
その当時はインターネットを利用して、少しでも利率の良い定期預金を使っていました。
話し始めると長いので、ここではカットしますがあらゆる項目で節約を心がけていました。
楽しみはボーナス時外食と年1回の国内の家族旅行でした。
外食は1回1万円以内、旅行は1泊2日でお土産代に交通費全て込みで10万円以内。
ここでもきちんと予算を立てて、行き当たりばったりの計画は立てませんでした。
それでも、十分に楽しめ、よい思い出になっています。
無理なく続けることが大切
そもそも小さい子ども達を連れた旅行はいろいろと気を使いますし、準備も結構大変です。
家族みんなでいつもとは違う空間で楽しい時間を過ごせたことに意義をおく時期もあります。
海外はいつか行ける時がきます!節約のコツは節約をある種のゲームととらえ、楽しむようにすることです。
筆者自身、ヤフオクや金券ショップの各種金券の使いこなしにはまったのもこの頃でした。
あれもこれも我慢の生活にならないように家族なり自分なりの楽しみポイントを作り、かつ目標の貯金額や貯蓄率はがっちり守って最初に取り分けてしまい、初めから存在していなかったと思うくらいの強い気持ちをもって生活することが大事です。
究極の家計やりくり術まとめ
家計のやりくりは実はけっこう大変な仕事です。
あくまでも目安になる割合や数字はあるものの「これが正解!」がありません。まずはあれもこれもと欲張り過ぎないでください。
- 現状把握
- 我が家にあった予算配分を決める
- 支出が高い項目に関しては節約できるポイントを探す
- 月々の収入やボーナス分の貯蓄割合を決め、先取りして貯金してしまう
- 何のために貯金をするのか具体的な目標と金額を決める
- 家族旅行など背伸びしすぎない程度の家族のお楽しみも予算に立てておく
上からひとつひとつクリアしていくのが一番の近道だったりします!
※この記事は、ある主婦歴20年超えの節約の達人にインタビューしてまとめたものです。
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