一昔前は、起業するなら資本金を1,000万円以上貯めないと難しいと言われてきました。
なぜなら、株式会社の資本金の最低額が1,000万円だったことと、キャッシュフローやスタートアップでの集客力を考えるとそれくらいの初期資金がないと資金ショートしてしまうとみられていたからです。
それだけ起業には、お金も労力もかかる時代だったのです。
また、そもそも起業前に1,000万円くらい貯められないようでは、開業してもうまくいかないだろうと見られていました。
起業のハードルは下がった?
ところが、現在は政府が起業を推進していることもあり、独立するのが非常に容易になり、ハードルが下がりました。
1円会社という呼称が話題となった通り、株式会社の資本金は1円以上あれば設立できることになりました。インターネットが普及したため誰でも気軽に収益を得られるようになりましたし、国としても副業を応援する時代になっています。
誰でも、店舗やオフィス、商品在庫など一切なくてもパソコンとインターネット回線ひとつあれば、どこでも大きなコストなく開業することができます。
私のように副業からスタートして、本業よりも多く稼げるようになってから会社を独立するのもひとつです。
このように、現在は起業がものすごく身近になったということができます。
では、お金がない人が起業すするにはどうしたらよいのでしょうか。
起業すべき??辞めるべき?
多くの将来起業したいと思っている人が、まずはお金を貯めてから起業したいと考えているようです。
ところが、さきほどもお伝えしたとおり、現代では開業するのにあたり、あまりお金はかかりません。
お金があまりかからないということはリスクが少ないということでもあります。
だからといって、私は、お金もないし副業で収入があるわけでもないサラリーマンが、会社が嫌だからという理由で、独立するのは有効ではないと思います。
というのも、極めて当たり前のことですが、起業したら給料がもらえないので、自分で稼いでいかないといないからです。
満足な収入がないと満足に生活していくことはできないのです。
副業ですでに収入がある人や、独立してすぐに顧客を得て稼げるスキルのある人、結婚相手が生活費を捻出してくれる人、これらの人以外は独立してもすぐに生活していくことは困難といえます。
なので、なんとかなるだろうと思ってお金がない状態で起業しても、どうにもならずにすぐにサラリーマンへ逆戻りするケースが多いです。
従って、お金がなくてもよいのでしっかりと収入の見通しを持って起業することが重要になります。
つまり、サラリーマンとして働く中で、しっかりと自分のスキルやノウハウを身につけて、稼げる能力を蓄えることが必要になるということです。
サラリーマンとしての能力と自営としての能力の違い
じゃあ、スキルがあれば、すぐに独立すればよいかというと、それもまた違います。なぜなら、仮に今サラリーマンとして売上をたくさん上げることが出来ているしても、独立するとそれまでとは状況が異なるからです。
サラリーマンは、会社員なので、所属する会社の看板を背負って仕事をすることができます。
自分では気づかないことが多いですが、自分の力だけでなく、会社の信用を活用しているから売上を建てることが出来ているだけの可能性があります。
また、サラリーマンの時は、営業なら営業、総務なら総務など自分の仕事だけをすればよいのですが、独立するとそうはいきません。
これまで総務の人がやっていたこと(保険等の手続)や事務の人がやっていたようなこと(会計や税金の手続きなど)も営業をしながら自分でしないといけなくなりますし、これまであったツールは全部使えなくなりますから、仕組やツールなどすべて自分で準備しなくてはいけません。
なので、独立するとサラリーマン時代のように売上をあげることだけに専念することができなかったりします。
なので、サラリーマン時代は、ものすごい売上を建てていた人が、独立すると一気に稼げなくなったりすることも良くあることなのです。
だから、独立起業は、基本的に慎重に時間をかけて準備をして実行することが重要だと思います。
お金に困っているからこそ大きく稼ぎたい!
でも、現在お金がなくて収入も苦しい人が、お金を貯めるのは難しいですよね。
私だって、ほぼ貯金0、むしろ借金がある状態で起業して、すでに6年目に入っています。
お金に困っている人ほど、なんとか起業してお金を稼ぎたいと思うのが人情というものですよね。
なので、この記事を書いているということもありますが、お金がない人が最短で起業するためにどうすればよいかをここから先で解説していきます。
- 本業で出世して独立する
- 副業で本業以上の収入を得て独立する
- 1年生活できるだけのお金を借りて独立する
- 資金的に援助してくれる人を見つけて起業する
- イチかバチか、やること決めて独立する
お金がない人が、事業を興して成功しようとすれば、基本的には上記5つの方法に限定されてくることになります。
お金のある人でも、一部重複しますが、資金がないということはビジネスにとっては非常に大きなデメリットにはなります。
なぜなら、ビジネスはお金がお金を生む世界だからで、お金さえあればある程度のことはうまくいくからです。
そんな「お金に支配されているビジネスの世界」でもっとも強い力を持つお金を持たずに、挑もうというわけですから、選択肢は非常に狭くなると思ってよいと思います。
けれど安心してほしいのは、今ビジネスの世界でうまくいっている成功者の方たちも最初は貧しかった人のほうが多いということです。
もちろん、最初から豊かで、そのまま成功者になっている人もいますが、かなり多くの人が貧しい状況から努力して這い上がって成功しています。
有名なSoftBankの孫正義社長だって、ワタミの渡邊美樹会長だって、ヘンリーフォードだって、ウォルトディズニーだって、みな貧しい青年としてビジネスの世界をスタートしています。
だから、仮にいまあなたがどんな状況であっても、将来ビジネスで成功することは可能です。
お金持ちでも貧しくても、等しく成功するチャンスがあります。
では、どうやって資金がない状態から起業してうまくいくかについて考えていきます。上記の1~5ですが、例をあげながら解説していきます。
本業で出世して独立する
もっともオーソドックスで効果的な取り組み方はこれです。
あなたが今携わっている本業に本気で取り組んで、本業を「補完して独立する方法」がないかを探します。
例えば、SoftBankに勤めているのでしたら、会社でよい成績を作って社内で信頼を勝ち取り、今後必要となるだろうコンテンツを作る計画を立てて会社に交渉して新会社を作らせてもらうなどです。決済サービスのペイペイなどはその類いだと思います。
あなたがどんな仕事をしているにせよ、本業に関与することで、何かしらの新サービスを作ることは可能だと思います。
会社の中で信頼を得ていれば、出資や融資してもらったり、さまざまなリソースに支援をもらったりしながら起業することが可能になります。
あるいは、本業でがんばってお金を貯めてやりたいことで独立するのもひとつです。
副業で本業以上の収入を得て独立する
今の仕事とは別に副業をして、収入を増やして、独立する方法です。
副業の収入を増やして、副業をメインにする方法と、副業でお金を貯めて自分のやりたいことで独立する方法の2種類があります。
- 副業の収入を増やして副業の業種で独立
- 副業の収入をためて別のことで独立
私は、アフィリエイトを副業で取り組んで、本業よりも稼げるようになったので独立しました。
一方でワタミの渡邊会長は、佐川急便でお金を貯めてワタミを創業しました。
きちんと収入源の確保や開業資金を準備するのに、本業ではなかなか収入増が期待できなかったり、本業が独立を応援してくれることがない場合にはこちらが有利になります。
1年生活できるだけのお金を借りて独立する
ここまでは、本業、副業問わず、まずはしっかりと稼いでから起業するものでした。
次に考えられることは、本業や副業で稼げるようになるまで待てないという人がどうするか、です。
待てない理由は、「短い人生をやりたくないことのために費やすのはもったいない」と思う人や単に「今の仕事が嫌だ」という人などさまざまだと思います。いずれにせよ、それらの人がどうすればよいかというと、起業資金を借りて取り組むということです。
起業資金といっても、ビジネスを展開するお金だけでなくて、「収入が発生しないかもしれない間の半年から1年分の生活資金」も含めての金額です。
お金は、できたら創業融資などを受けられたらよいですが、難しければ、サラリーマンのうちに銀行などからフリーローンなどを組んだり、親や親戚に借りたりしてもよいでしょう。
ただし、借金して起業する場合は、ビジネスがうまくいかない場合に返済できない可能性があるので、グンとリスクが高くなることを知っておいてください。
資金的に援助してくれる人を見つけて起業する
お金は何も借りるだけしか調達できないものではありません。
投資してあなたの夢を応援してくれる人を探すのもひとつです。
クラウドファンディングのような投資家を探すオンラインサービスも充実していますし、あなたがお世話になった恩人なんかも対象となるかもしれません。
いずれにせよ、あなたの将来に対してお金を出してもらえるなら、あなたは信頼がある証拠です。自信を持って取り組みましょう。
生活コストを極限まで絞って、小さな収入源を作って起業する
お金を借りることも、投資してもらうこともできなければ、最低限の生活ができるに生活コストを削減して、アルバイトでもしながら、余った時間で新しい仕事にチャレンジするのもひとつです。
はっきり言ってこの場合は、時間にはゆとりができますが、収入が減るのでビジネスにお金を投資することもできません。
従って、当初は成果が出るまでなかなか大変ですので、その大変さを乗り越える決意のある人だけがチャレンジするとよいでしょう。
それこそ、四畳半一間のボロアパートから這い上がる決意が必要です。
イチかバチか、やること決めて独立する
何かアイデアがあって、絶対にうまくいくことしか考えられない人が、チャレンジする方法です。
リスクがあまりにも大きいのでオススメしません。
つまり、いますぐ会社を辞めて起業するということです。(ノウハウでもなんでもないですね!笑)
準備が整っているとかいないとか関係なく、チャレンジ精神だけで取り組むものです。
これが必ずうまくいかない、ということはないですが、準備せずに取り組むのは無謀なので、極力辞めたほうがよいでしょう。
さあ、あなたはどうする?
以上、お金がなくても起業できる方法について解説してきました。
私は過去、ビジネスの師匠からビジネスの世界は「生き馬の目をえぐるところだ」と言われて育ってきました。
だから、資金もスキルもない人がいきなり無防備にチャレンジしてそう簡単にうまくはいかないのがビジネスの世界だと思っています。
でも、どんな人にも公平にチャンスがあるのも事実です。
しっかりとリスクがあることさえ認識しておければ、どんな手痛い失敗をしたところで、命まで取られることはありません。
最悪の場合どうなるかだけ頭にいれて、あなたの人生、二度ない人生を自分らしくチャレンジしてもらえたらと思います。
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