クレジットカードを銀行のキャッシュカードのように使って、銀行やコンビニのATMからお金を引き出すいわゆるキャッシング。
これは、クレジットカード会社からお金を借りることと同義で、与信枠の範囲内でいつでも気軽に利用することができます。
ただし、キャッシング機能がついているクレジットカードでないと利用できなかったり、金利が高かったりとさまざまな注意点もあります。
ここでは、キャッシングの利用方法と利用にあたっての注意点についてまとめたいと思います。
クレジットカードでATMからお金を引き出す方法
キャッシングのやり方はとてもシンプルで、キャッシング対応のATMであればどこでもお金を引き出すことができます。
具体的には
- クレジットカードをATMに挿入する
- 暗証番号を入力する
- 借りたい金額を入力する
- 返済方法(一括払いまたはリボルビング払い)を選択する
この4ステップで簡単にお金を引き出せます。暗証番号はショッピングの時と同じ番号を入力するだけ。
返済方法は翌月に一括で元金と利息を支払いたい方は「一括払い」を、毎月定額の元金と利息を支払いたい方は「リボルビング払い(通称:リボ払い)」を選択すればOKです。
買い物をするように手軽に現金を手にすることができますよね。
気になるキャッシングの手数料は?
コンビニのATMなどであれば、24時間お金を借りることができ非常に便利なのですが、どうしてもかかってしまうのが手数料。
ATM手数料はほとんどのカード会社で、1万円以下の借り入れで100円(税抜)、1万円を超える借り入れで200円(税抜)となっています。
最近は様々なサービスを売りにしたクレジットカードが増えてきており、中には提携ATMにて借り入れ・返済を行うと、翌月一括払いをする場合に限り手数料が無料になるカードもあります。
この場合、休日に銀行から現金を引き出す場合より手数料が安くなるというメリットもあるのですね。
キャッシングの返済方法
キャッシングで引き出したお金の返済は、基本的には上記の一括払いかリボ払いとなります。
リボ払いとは?
リボ払いとは、毎月の固定返済額を指定し、「毎月の返済額+利息」を支払っていく方法です。多くの場合が、1万円以上1万円単位で自分の支払える額を指定できます。
キャッシングの返済にかかる利息は、お金を借りている期間の長さで決まるため、リボ払いの返済期間が長くなればなるほど、支払う利息の額は大きくなります。
余裕のある方は一括払いを選択することをおすすめします。
キャッシングの金利はどれくらい?
キャッシングの金利はカード会社、およびカードのランクによって変わってきます。
また、借入額が高額になってきた場合に、新たな借り入れをすると金利が下がる場合があります。
多くのカード会社で、キャッシングの金利は15%~18%の間に収まっており、ごく普通の方が数万円~20万円程度の借り入れを行う場合、金利は18%と考えていただいてよいでしょう。
金利と利息についてのおさらい
金利は年利と言って、1年間そのお金を借りた場合に元金に対して何%の利息を払うか、を表しています。
つまり金利はこの元金に対する「割合」を表し、その割合に基づいて計算した利用者が支払う利子が「利息」なのですね。
例えば、クレジットカードで10万円を引き出し、翌月に一括払いで返済をする場合を考えてみましょう。
金利が18%とすると翌月支払う利息は
10万円×金利(0.18)×(30÷365)=約1479円
となります。1年間かかる利息を日割り計算して1か月分支払う、という計算なのですね。
ですから、極端な話、これを2か月後に払うとなると利息は2倍かかるという計算になります。
リボ払いで長い期間にわたって返済をすると、払う利息が増えるのはこのためだったのですね。
一括返済、リボ払い、また途中で全てを一括で返済してしまう場合、どれをとっても金利は変わりませんが、実際に支払う額=利息は大きく変わってくるのです。
その他の返済方法は?
キャッシングによる借り入れは、言ってみればカード会社に借金をしているようなもの。消費者金融などからお金を借りた場合でもそうですが、返済方法って様々なものがありますよね。
代表的な返済方法をいくつかみておきましょう。
約定返済
ローン用語で、毎月指定日に利用者の返済用口座から引き落としを行うことを約定返済と言います。クレジットカードでキャッシングをした場合、ショッピングの利用額と一緒に毎月の引き落とし日に銀行口座から利用額として引き落としが行われます。
したがって、キャッシングの返済は約定返済の一種であると言えます。
随時返済
約定返済の引き落とし日とは関係なく、利用者の好きな時に随時返済ができることを意味します。
次に述べる、一括返済と繰り上げ返済が、この随時返済に含まれます。
(全額)一括返済
ある程度まとまったお金があり、引き落とし日の前に全ての元金と利息を一括で納めてしまう返済方式です。
これは借り入れの期間が短くなることを意味するため、利息が減るというメリットがあります。
リボ払いの時だけでなく、ATMでお金を引き出す際に翌月一括返済を指定した場合でも、引き落とし日の前に一括返済ができてしまうのです。
繰り上げ返済
例えばリボ払いで毎月1万円を指定している人が、「今月はちょっと余裕があるから5万円返済しよう!」という感じで、全額ではないですがある程度まとまった額を返済できるという方式です。
これによって、元金が大きく減ることになり、支払う利息も減らすことができるというメリットがあります。
全額一括返済や繰り上げ返済は、カード会社へ電話すればすぐに手続きを行うことができます。
海外でキャッシングする場合
キャッシングは日本国内のみならず、海外でも利用ができます。(事前に海外キャッシング利用できる設定にしておく必要があります。)
海外で手持ちの現金がないなど、ピンチの時にキャッシングは大いに役立ってくれます。
海外キャッシングする手順
まずは自分の持っているクレジットカードのブランドのロゴがあるATMを探しましょう。もしくは、カードの裏に「Plus(プラス)」「Cirrus(シーラス)」と言ったロゴが印刷されている場合、そのロゴがあれば大丈夫です。
基本的には日本でATMから引き出すときと同じ操作になります。
多くの国のATMは英語表示に切り替えられるようになっていますから、英語画面での操作を想定してみましょう。
- ATMにクレジットカードを入れる。
- PIN CODE(暗証番号)を入力する。
- WITHDRAWAL(引き出し)を選択する。
- CREDIT(クレジットカード)を選択する。
- 金額を選択する。
これで引き出しが完了します。日本のように一括払いかリボ払いかを選ぶ画面が無い場合、基本的には一括払いとなります。
為替レートがお得な海外キャッシング
海外キャッシングをした場合、レートはどうなるか気になりますよね。実は海外でキャッシングをすると、すごくお得なんです。
海外旅行などで現地通貨が必要になったときって、換金所で日本円を替えるのが一般的ですよね。
しかし、換金所は為替レートにかなり手数料を上乗せしているのです。特に空港や観光地など、人が多く集まるところほど異様に高い手数料を請求して来ます。
ところが、キャッシングだとこの手数料が無いのです!もちろん金利は発生しますが、海外キャッシングで翌月一括返済をした場合、事務手数料はかかりません。
為替レートでダイレクトに計算した分のお金が引き出せるのです。
締め支払いのスケジュール
クレジットカードによるキャッシングをした場合、基本的には他のショッピングの利用料と同じタイミングで支払いをすることになります。
カード会社によって締め日と支払日は異なりますが、多いのは「毎月末締め、翌月27日支払い」「毎月15日締め、翌月10日支払い」の2つです。
リボ払いの返済スケジュールはどうなる?
例えば、JCBカードで10万円をキャッシングし、毎月2万円返済のリボ払いを選択したとしましょう。
JCBカードは「毎月15日締め、翌月10日支払い」ですので、例えば7月12日に借りた場合、第1回目の返済は8月10日から始まり、「2万円+利息」が引き落とされます。
7月17日に借りた場合は、第1回目の引き落としは9月10日になります。
キャッシングする際の注意点
とても便利で手軽なキャッシングですが、いくつか気を付けておきたいポイントがあります。
キャッシングは利子の高い借金である
キャッシングの金利は一般的に18%程度であるということは、すでに言った通りです。
この18%という金利は、実はかなり高く、貸金業法が定める金利の上限に限りなく近い数値なのですね。
また、この記事で何度も説明しているように、キャッシングの返済額には利息が上乗せされます。
10万円を翌月一括返済した場合、利息は1400円程度で済みますが、リボ払いで毎月1万円ずつ支払いをした場合、返済する利息は合計で1万円近くにもなってしまいます!
キャッシングはいかに金利が高いか、考えただけでもゾッとしますよね?
キャッシングを利用してお金を引き出す際は、自分でよくシュミレーションをすることが大切です。
キャッシングはショッピングにも影響する
「キャッシング枠」「ショッピング枠」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
ここでの「枠」とは利用限度額のことです。それぞれ、キャッシングで利用できる限度額、ショッピングで利用できる限度額を意味しています。
ほとんどのクレジットカードにおいて
- ショッピング枠がカード全体の限度額
- ショッピング枠の中にキャッシング枠が含まれる
が鉄則になっています。つまり現在お手持ちのカードのショッピング枠が50万円だとすると、そのカードでトータルで使える金額は50万円となります。
もし、10万円キャッシングをした場合、買い物などで使える額は最大40万円になるのです。
また、そもそもカード作成段階でキャッシング利用枠を申し込んでいないとキャッシング機能ができないことがほとんどです。
自分のカードのキャッシング枠が0円になっていないか、一度確認してみましょう。
キャッシング利用履歴の他への影響
キャッシングで借り入れをしていた、という事実が思わぬ悪影響を及ぼすことも、心の片隅にとめておきましょう。
もちろん、キャッシングをしただけで信用に傷がつくことはありません。
注意したいのは住宅ローンなどを申し込む場合。この段階で、キャッシングを利用中、または返済が終わっていない人はローンの審査に通らない可能性もあるのです。
なぜでしょうか?
キャッシングはさっきも言ったように、利子の高い借金です。
つまり、キャッシングをしているということは、「それほどまでに高い金利を払ってまでお金を借りなければいけない人である」と判断されかねないのです。
そのため、返済が終わっていなかったり、常習的に高額なキャッシングをしていると、信用という点から悪影響が出る可能性が高いのです。
キャッシングとカードローンの違い
キャッシングと似たような借り入れに「カードローン」というものがあります。
キャッシングとはクレジットカード会社にお金を借り、カードローンは銀行やプロミスやアコムなどの消費者金融が発行するカードによってお金を借りるというもの。
一見似ているように感じますが、両者はどのように違うのでしょうか?
返済方法が違う!
クレジットカードによるキャッシングは翌月一括払いかリボ払いかの大きく分けて2択になる、ということは何度もお伝えしている通りです。
カードローンには、原則一括払いが存在しません。ここが大きな違いです。
カードローンでは返済方法として、リボ払いではなく「分割払い」という言い方がよくされます。
分割で返済していくため、基本的に借入期間は長期化しやすいという特徴があります。
借り入れ額が違う!
分割払いが基本ということは、一括では返済が難しいような額が主流ということ。
カードローンは、クレジットカードのキャッシングにくらべて、大きい金額を借りたい人向けのローンと言えます。
ただ金利はクレジットカードよりも概ね低いというメリットがあります。
自分が借り入れしたい額によってはクレジットカードのキャッシングよりもお得に返済を済ますことができる可能性もあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
クレジットカードでのキャッシングはいつでも気軽にATMからお金を引き出すことができ、ちょっとお金が足りない場合などにとても便利な機能ですが、少し間違えると大きく損をすることにもなりかねません。
そのため、金利による利息などをちゃんと計算し、計画的な利用が必要です。基本的にお金を借り入れる=借金ということを頭にいれ、借りる金額によってはカードローンの検討も必要になります。
キャッシングはカード会社と利用者との信用の上に成り立っているもの。自分の将来に傷をつけないためにも、賢く利用しましょう。
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