人は誰でもお金がない時は不安に思うものです。
なぜなら、生存が脅かされたり、命までは取られないまでも快適な生活がなくなるかもしれないからです。
あるいは、子供の教育だったり、住宅ローンの支払いができなくなるかもしれないこと、さらには自分たちの老後が破綻したり、子供に迷惑をかけるようなことも想像するのかもしれません。
いずれにしても、生きていたら絶対に「お金がない」状況に遭遇しますし、窮地に立たされることはあると思います。
そんな時に、「この先どうなるんだろう」とか、「お金がなくなって一文無しになってどうしたらよいの」とか、「家族揃って路頭に迷うのではないか」と不安になるのは、当然のことだと思います。
そして、将来に対して全く先が見えない気持ちになったり、「よいことなんて全然ない」と感じてしまうくらいになることもあると思います。
でもこれは、繰り返になりますが、当然の反応です。
ほとんどの方が、一時期激しい不安に苛まれた後、立ち直って前を向いて、将来に向けて改めて頑張り始めると思います。つまり、不安を克服していくということです。
お金の不安からすぐに立ち直れない?
ところが、そんなに少なくない割合で、長期的にお金の不安に苛まれる人もいます。
それらの人は、窮地を脱した後も、自分はお金がないと感じ続けて、不安におののき続けます。
あるいは、本当はお金がないわけじゃないのに、「お金がなくて不安だ」と思う人も実に多くいます。
非常に極端な話ですが、私が知っている事例では、貯金が1億円を切ってしまったからお金がないと絶望して自殺した人がいるくらいです。
また、私は2012年隠岐にUターンしてきた時は、貯金0円、借金残債600万円、月収が14万円でした。
数日はそんな状態が継続して、「お金がない」と不安に思いましたが、不安に思っても仕方ないので、前向きに取り組むことにして、不安を乗り越えました。
そして、途中からお金がないとは思わなくなっていき、その後本当にお金がない状態ではなくなりました。
一方で、私の知り合いで、ちゃんと仕事もしていて、預貯金が数百万円くらいはあって、毎月赤字ではないのに、お金がないと言っている人もいます。
しかも、さまざまなことをお金がないことを理由に取り組まなかったりもしています。
1年、2年単位ではなくて、数十年単位で、毎日お金がないと不安に陥りながら、なんとちゃんと生活し続けることが出来ているのです。
(数十年前に不安になったのは、何の意味があったんだと思っちゃうくらいですよね。)
お金がない=精神的な問題?
なので、実は「お金がない」という状態は、あくまでも精神的な問題であって、「いくら以上お金がある人」が「お金がある人」で、「いくら以下しかお金がない人(あるいはいくら以上の借金がある人)」は「お金がない人」という定義ができないということになります。
また、不安に思うというのは、精神的な出来事で完全に個人的な体験なので、他者からは見ることが出来ない点も注意が必要です。
不安だと口にするけれど、本当は不安でなかいうこともあるでしょうし、逆にすごく不安で仕方ないのに、「お金持っているじゃん」と不安を理解してもらえないこともあると思います。
また、その「不安」という主観的な感情を感じることによって、人が何を得ているのかを見る必要があります。
不安は問題解決しない
基本的に私も2012年にお金がなくて不安でした。
だけれど、「不安だ、不安だ」と言ったり、思ったりしても、収入も手持ちのお金も増えませんでしたし、借金も減りませんでした。
不安に思うことで、焦ったり、気持が落ち込んだりして、何も手に付かない状態になることはありましたが、活動的になることはありませんでした。
一方で、不安だからどうにかしないといけないと、考えるきっかけは作ってくれました。
逆に、不安に打ち克つためにしなくてはいけないことを具体的に取り組む中で、収入が増えて借金が減って、貯蓄が増えていきました。
私が、お金の不安を乗り越えるためにしたことは、次のことです。
これだけです。具体的にどうしたら収入が増やせるかというと、人によって取り組むべき方法は違いますが、私はアフィリエイトに取り組みました。
また、私の場合は本当にお金がなかったので、「無駄な」出費もありませんでしたら、お金がない時の対処法であるもう一つの、「支出を減らす」は取り組む必要がありませんでした。
このように、「お金がないことを不安に感じること」には、次の2つの問題が密接に絡み合っていることになります。
- いくらがお金が「ある」「ない」の境目か分からず個人の主観的な問題であること
- 「不安」ということがどういう役割を持っていてどんなことを引き起こすかということ
それぞれについてわけて解説していきたいと思います。
いくらがお金が「ある」「ない」の境目か分からず個人の主観的な問題であること
まず、一番目の問題は、お金があるか、ないかというのは、実は個人的な主観的な問題だということです。
一見、そんな馬鹿なと思われるような内容かもしれません。
だって、お金が「ある」か「ない」かの論理が、主観だというのですから。
確かに、目の前にお金が「ある」か「ない」か聞かれたら、1円でもあれば「お金がある」と答えるでしょう。逆に、一銭もなければ、お金がないと答えます。
ところが、日常的に「お金がない」という時には、基本的に本当にお金がないわけではないということに注意が必要です。
先ほども事例を出しましたが、お金があるかないかというのは、個人個人が決めることで、例えば貯金が1億を切ったらお金がないと思う人もいれば、借金があっても収支がトントンならお金があるという人もいるからです。
なので、お金がないと一言でいっても、これは完全に個人的な主観的な問題になるので、客観的な解決策がないということになります。
なぜなら、お金があるないは、それぞれ違うわけだから、当然解決策もそれぞれ違うということができるわけです。
ただし、厳密に言えば、確かに、借金が高額で日々の生活が赤字でなければ、お金がないとは言えませんが、客観的に見てリスクがあります。
また、貯金が1億円切ったとして、収支がどうかにもよりますが、客観的にみて、このケースはお金がないとはいえないと思います。
このように、ある程度の尺度を持って、お金の「あるない」を定めて、対策を検討するのは可能になってきます。
この状況をみるとわかる通り、基本的には捉え方の問題が出てくるので、2番目の不安の扱いにも関係して来ることになります。
「不安」ということがどういう役割を持っていてどんなことを引き起こすかということ
次に、不安についてですが、人が不安になるのは、未知の恐怖やまだ来ない未来や経験に対して警戒をするためです。
なので、不安という感情自体が悪いわけでなく、例えば、イケイケどんどんになっている時に不安があるからブレーキをかけて大きな失敗をすることを防いだり、不安になるから、さまざまな危険予測をして問題が起こる前に対処したり、できるようになります。
しかし一方で、不安の支配度が高すぎると、あらゆることが不安になって冒険することができなくなり、特に新しい経験を求める行動を取れなくなります。
そうなると、今抱えている問題を解決するための行動変容ができなかったり、そもそもさまざまな行動を抑止するような作用が与えられてしまいます。
なので、適切な不安はあなたを守るのに役立ちますが、過度の不安はあなたの行動力を損ねる結果につながるということができます。
では、お金がない時の不安はどの程度までが、適切な不安で、どの程度までが過度の不安なのでしょうか。
端的に言えば、長期的に不安を引きずって解決のための行動を取れない状態が過度の不安ということができます。
また、日々の生活ができているのに、不安に駆られている場合などもそうです。
例えば2012年私のように、借金まみれで貯金がなくて収支が赤字の場合は、完全にお金がない状態ですが、この状態でも7日以内に改善するための行動を考え始められない状態は過度な不安に侵されているといってよいと思います。
これらを踏まえて、具体的な対策について解説していきます。
お金の不安を解決する方法
すでに解決策の一部は、出ていると言っても良いですが、次の取り組みがお金の問題を解決する最良の方法となります。
- お金に対して正しい考え方を学ぶこと
- とにかく問題点を克服するための行動をすること
それぞれどういうことか解説していきたいと思います。
お金に対して正しい考え方を学ぶこと
まず知って欲しいことは、お金についての正しい知識を持つことです。
過度な不安を呼び起こすひとつの要因としてあげられるのは、正しい知識の欠如です。
いったいお金ってどういうものなのか、万が一本当にお金がなくなってしまったらどうなるのか。しっかりと正しい情報を知れば、不安が減っていくはずです。
日本人のほとんどの人は、お金について全く教育を受けていません。ほとんどの人が、単に親からのお金の価値観を持っているにすぎず、「それが正しいこと」と勘違いしています。
なので、ちゃんと正しい知識を得ることが重要です。※お金についての正しい知識については、お金がないけれど幸せに生きることはできるのか?をご覧ください。
ただし、精神的な部分も影響してきますので、知識だけでは解決できない部分があります。
また選択理論で言われることでもありますが、感情はコントロールしにくいです。
感情に作用する行動や考え方をコントロールするしか方法はありません。
なので、次の「行動をすること」が関係してくることになります。
とにかく問題点を克服するための行動をすること
先ほどの解説で、不安は人の行動を抑止するとまとめました。
不安が行動を抑止するように逆に、行動は不安を抑止するとも言われています。
例えば上を向いて全力疾走している人は鬱にならないらしいです。
止って考えちゃうから鬱になると言われています。
また有名なデールカーネギーの本で、「道は開ける」でも同様のことが書いていました。
それらを応用するとお金がないと感じて不安に思うなら、つべこべ言わずに、収入を増やすか支出を減らすか、どちらかの行動を取ることこれがもっとも重要になるといえます。
つまり、精神論的な不安を克服するには、活動して考えるヒマをなくすこと。しかもそれが、お金がないことを解決する何かにつながる行為であることが重要だということになります。
個別具体的な取り組みについては、お金がない時の対処法をご覧下さい。