182日目の景色

債務整理の条件とは
金が膨らんでクビが回らなくなった。債務整理をすれば返済がぐっと楽にできるし、債務整理は国が国民を守るために与えて保護措置です。しかし、誰でもがどの債務整理も利用できるわけではなくて、その人の意向や状況によって、利用できる場合とできない場合にわかれます。

 

いったいどういう場合に、利用することができて、どういう場合には利用できないのか、債務整理毎の条件をまとめました。

 

債務整理の3つの種類

債務整理3つの種類
債務整理には、次の3つの方法があります。その人の意向や状況によって、どれが最適かは異なります。以下、簡単にご説明します。(このカテゴリ内では、何度も出てきますが、少しずつ表現を変えて説明しています。)

 

任意整理

弁護士や司法書士などの法律の専門家が代理人となり、債権者と交渉し、借金の減額や支払い方法、期間を変更するものです。裁判所は関与しないので比較的手続きは簡単です。住宅ローンや車のローンは残し、他の借金についてだけ整理するということも任意でできます。減額ができ月々の返済額が減れば支払える場合によい方法です。裁判所に行く必要がない、官報に住所氏名が載ることはないという点がメリットです。

 

個人民事再生

裁判所に「再生計画案」を提出し認可されれば、借金が免責され5分の1程度になり、その借金を3年分轄で返済していきます。任意整理よりも大幅な減額となります。その後、再生計画通りに分割返済していけば3年ですべての債務がなくなります。返済期間は5年までの長期弁済が認められる場合があります。月々の分轄返済ができるが、債務の額が大きい場合によい方法です。自己破産と比べてのメリットは家や車を手放さずに済むことですが、官報に住所氏名が掲載されます。

 

自己破産

個人民事再生で免責され借金の額を5分の1程度にしても、3年の分轄での支払いが難しいときには、自己破産を選択します。裁判所に「破産申立て」をし支払い不能と認められれば「免責許可」となり、税金等を除くすべての債務がなくなりゼロになります。家や車はもちろん少額の家財以外の価値ある財産はすべて換金され、債権者への配当に充てられます。

 

スポンサードリンク

 

任意整理するための条件

任意整理の条件

債権者が交渉に応じること

任意整理は法律の専門家が代理人として交渉するとはいえ、双方の合意あっての債務整理方法なので、交渉を始めるにあたってまず債権者が任意整理に応じるということが前提条件としてあります。中には任意整理に応じない方針の会社があり、交渉の場に立とうとさえしない場合は任意整理ができません。

 

返済能力があること

もうひとつ当然ながら、合意の上決定されたその額を月々返済していける力があることという条件があります。つまり3年の分割での返済金額が、その人の収入に対して妥当な額であるかということです。
任意整理を選択する理由の多くは家を手放すことを避けたいためということが多く、住宅ローンを持ち続けたまま借金の返済もしていくことになります。また車や奨学金のローンなどがある場合もあります。もちろんそういったローンを任意整理の対象とすることもできますが、返済期間が短くなったためにかえって高額になることもあり、整理の対象からはずすことがよくあるのです。任意整理された分とローンの両方を返済していけるだけの能力があることが条件となります。

 

減額について

ここで減額について少しご説明しましょう。減額の方法は大きく分けて二つ考えられます。
たとえば高金利の消費者金融等との取引があった場合、利息制限法による引き直し計算がされ、払い過ぎていた利息を返済に充てることによって減額となります。引き直し計算の結果、その人が把握していた債務の額よりも実際の額がかなり少なくなることはよくあることです。
もうひとつの減額の方法は、たとえば親戚から援助を受けるなどをして一括返済することの代わりに減額を交渉することです。すべてではありませんができる場合もあります。

 

これら二つの減額に加え、将来分の利息をカットするという交渉もよく行われます。こちらはほとんどの場合で承諾されます。
そうして減額された結果の額を分轄して返済していく力があれば、任意整理は可能です。

 

スポンサードリンク

 

個人民事再生するための条件

個人民事再生の条件

継続した安定した収入があること

個人民事再生が成立すれば、債務は5分の1になります。その額を3年の分割で支払っていきますが、そのための安定した継続した収入があることが条件です。収入に関する条件は任意整理でも同じですが、個人民事再生は、債権者と債務者双方の合意で決まるのではなく、裁判所が判断しますから、裁判所に提出した再生計画案が確実に実行される能力があるとみなされなくてはいけません。
パートやアルバイトでも継続した安定した収入とみなされますが、収入が少なすぎる場合は認められないときもあります。また正社員であっても年収の変動が20%程度を上回る人も安定した収入とみなされない可能性があります。こういった判断がすべて裁判所によってなされるのが任意整理との違いであり、注意すべき条件といえます。

 

住宅ローン以外の借金の総額が5000万円以下であること

個人で、住宅ローン以外で5000万円以上の借金がある場合は、小規模民事再生の要件に該当しません。

 

債権者からの半数以上の反対がないこと

自己破産され全額免責になるよりはましであること、反対のための手続きにコストがかかることから反対しない場合が多いです。が、半数以上の反対があった場合は、提出した「再生計画案」は否決という結果になります。

 

反対した債権者の再建額が債務総額の半分以上でないこと

自己破産よりまし、かえってコストがかかるということで反対されないことが多いですが、おまとめローンの場合はすでに多数の借金を一社にまとめているので、そこだけで債務総額の半分以上になっていることもあり、反対することもあります。

 

自己破産するための条件

自己破産の条件
自己破産は、裁判所に「破産申立て」をし「免責許可」を得る手続きを経て成立します。借金がすべて免責になる債務整理なので、虚偽の内容があった場合、また借金の理由などによっては申立てをしても免責が許されない、つまり「免責不許可決定」になる場合があります。免責が認められない条件のことを「免責不許可事由」といいます。その例を以下に挙げます。

 

財産を意図的に隠している

裁判所に提出する資料のひとつである財産目録から意図的に一部の財産を除外したり、自分名義の不動産を親族の名義に変更したりした場合、不許可となる理由になります。

 

クレジットカードを換金化した

破産申立ての直前に、クレジットカードのショッピング枠を使って商品を買いそれをすぐに現金化するようなことがあれば、免責不許可事由に該当します。

 

特定の債権者にだけ返済した

たとえば親戚や知人からの借金だけを先に返済してから自己破産するというのは、債権者への公平さを欠くことから免責不許可決定の理由になります。

 

ギャンブルや浪費の程度が著しい

収入に合わない買い物をした、競馬やパチンコ、株、FXなどのギャンブル的行為をしたことによって、財産を大きく減らしたとみなされる場合も免責不許可事由に当てはまります。

 

詐欺的な借り入れ

破産申し立て1年以内に、虚偽の所得証明書や身分証明書を提出し信用状態を偽って借金をした場合は免責不許可事由となります。

 

その他

裁判所に提出する書類は非常に細かくチェックされます。虚偽の資料があったり、破産手続きにおいて行われる調査中に虚偽の説明があったりした場合も、免責不許可決定につながります。

 

スポンサードリンク

 

どれを利用するとよいか

どれを利用するか
任意整理、個人民事再生、自己破産それぞれの意味の違いと条件について解説しました。その人の意向と状況によるという意味がご理解いただけたでしょうか。

 

ここまで読んで皆さんが迷うのは、やはり任意整理か個人民事再生かということと、個人民事再生か自己破産かということだろうと思います。その見極めのポイントについて簡単にまとめます。

 

任意整理か個人民事再生か

どちらも家を残すことができるという点では同じです。また分割で返済していくだけの収入が必要という点では同じです。

 

違いは裁判所を通すか通さないかという点です。個人民事再生では裁判所に「再生計画案」を提出するという煩雑な手続きがあり、それに対し厳しい調査もあります。おまとめローンがある等、債権者からの反対が予想される場合は任意整理を選んだ方がよいでしょう。

 

もうひとつの違いは「官報」という国から発行される機関紙に住所氏名が掲載されることです。官報は休日をのぞく毎日発行され販売されます。ウェブサイトでも閲覧可能です。官報を見る一般の人は少ないでしょうが、闇金業者はここからの情報をもとに連絡をしてくる場合もあります。強い態度で拒否することが必要です。

 

また、そもそも任意整理は、基本的には債務額自体が圧縮されることはないので、債務を減らすという意味では、個人民事再生がよいと思います。

 

個人民事再生か自己破産か

個人民事再生は家を残すための最後の手段とよくいわれます。自己破産は価値ある財産はすべて換金され債権者に支払われますので、持ち家を残すことができません。住宅ローンに加え、5分の1に減額された借金を分割で返済していく力があるなら個人民事再生ができます。ただし住宅ローン以外の借金が5000万円以上の場合は、個人民事再生が適用できないため自己破産を選ぶことになります。

 

まとめ

専門家を頼ろう
その人の意向や状況によって選ぶ債務整理が変わりますが、手続きを進めていくときには法律の専門家である弁護士や司法書士にお任せすることをおすすめします。いざ債務整理をと決めても、返済能力を公平に測ることは本人ではなかなか難しいことがよくあるからです。
明らかに自己破産のレベルなのに、任意整理に固執する。その気持ちは理解できますが、そうこうしている利息はどんどん増えていきます。第三者からの公平な判断やアドバイスもときに必要なのです。

 

どの方法をとるにせよ、法律的なことは非常にややこしく、まさにケースバイケースです。気になる手数料についても分割払いに応じてくれることがほとんどですから、再生への道を進むためにも専門家を利用してください。

 

※そんな中で、経験者の私が強いて言えば、債務整理のどれを選ぶかの基準については、以下になろうかと思います。

  • とにかく借金をなくしたい、減らしたい、自宅を所有していない、免責不許可事由がない→自己破産
  • 自己破産できない理由(免責不許可事由、自宅所有)がある場合→個人民事再生
  • 破産も民事再生もできないかしたくない場合→任意整理

関連ページ