家計見直しの第一歩を考えてみる

貯蓄や資産があり余裕のある生活を送りたいと誰しもが考えます。

しかし、「格差」という言葉がメディアを賑わす昨今、大多数の人が収入という現実を目の前に、人生で本当に実現したいことから遠ざかっていく生活を余儀なくされているのではないでしょうか。

ちょっと立ち止まって、今いる場所から向かうべき方向を見つめ直すスタートとして家計を見直してみることは、これからの人生を変えていくきっかけになるはずです。

家計を見直すことはこれからの人生をより確かなものにしていくこと

 

FP(ファイナンシャルプランナー)という家計に関する専門家資格があります。なぜFPという資格があるのでしょうか。

 

人生はお金と付き合っていくことです。毎月の給料から生活費を支払い、時々のライフイベントにはまとまったお金が必要になり、税金や保険など毎月出ていく金額が変わったり、老後の年金や介護費用、相続に至るまで、お金を受け取ったり、支払ったりのくり返しです。

 

受取る金額より支払う金額が大きければ、その人の生活は立ち行かなくなります。受取る金額のほうが大きければ貯蓄や投資が可能になり、より幸福で自由な人生を手に入れるための基盤となっていきます。

 

この個人の経済的な側面を良い方向に導いてくれる専門家がFP(ファイナンシャルプランナー)であり、税金をはじめとするお金に関わる法律知識や保険や住宅ローン、教育ローンなどの商品知識、年金や資産運用など様々な専門知識をもとに私達の生活設計にアドバイスを提供してくれる存在です。

 

アドバイスを受ける側の私たち個人は、それぞれの価値観やライフスタイル、家族や収入、保有資産など人によってその経済状況は様々です。

 

住宅ローンが重荷になっていたり、出産したら赤字が続くようになったなど、差し迫った問題がある場合はFPに相談するのがいいと思います。差し迫っていなくても余裕があれば専門的なアドバイスを受けることはこれまでの生活を見直すきっかけになるでしょう。

 

FPに頼らなくてもこれからの人生設計により具体性を持たせ、これまでの生活と家計を見直してみることは大切なことです。しかし日々の生活に追われるばかりで、わかっていても真剣に考えてみることはなかなかできないことでもあるのではないでしょうか。

これまでの人生を見つめ直し、新たな方向付けをしていくのが家計の見直し

「貯蓄ができない」とか「赤字が続く」など現状の生活が好転していかないという状況であれば、家計を見直さなければならないのは当然のことです。

また、それほど現在の生活に困る状況がなかったとしても、将来に備えるという意識を持っているのといないのでは、やはり何かあった時の対応に大きな差が出てきます。

 

家計を見直す動機、きっかけとなるのは必要性や緊急性に加えて、将来のあるべき姿や実現したいことが明確になっており、かつ、それをどうしても実現したいという強い願望があることが最も強い動機づけになります。

 

見直しの一丁目一番地は記録すること

家計見直すことは過去の自分と家族の生活パターンを客観的に評価し、将来を計画するということです。

現状の生活にかかっている費用を把握し、それぞれの費用の適正な金額を見つけ、それにもとづいて削れるものは削り、他にかけるべきところにまわしたり、将来お金をかける必要のあるものや目標とすることを実現するために貯金できる金額を増やしていくということです。

 

PDCAを回すといいますが、一定期間のサイクルで計画したことや実践したことの結果を振り返り、それをもとにまた計画して実践するということのくり返しです。

 

例えば、固定費である通信費の削減のために格安SIMに乗り換えたとします。事前に検討してはいたものの、使ってみたら必要な機能が実現できなかったという場合が出て来るかもしれません。あるいは、もっと安い事業者の格安SIMに乗り換えることが可能なことに気づくかもしれません。変動費の費目のなかで食費を削減するために、買い物の頻度を減らす計画を立て実行してみたところ、必要なタイミングで買うことが出来ないものが出てきた。などなど、計画してやってみたことを金額を基準に振り返ってみることで毎回何かの気づきを得られると思います。

 

この、「記録、分析、計画、実行」ということをくり返しながら削れるところは削っていきます。

くり返しのなかでできるところを見つけて、できた実績をつくる

固定費の見直しのなかには、年1回やれば済んでしまうこともありますが、すべての費目を含めて「記録、分析、計画、実行」という作業自体と、計画したことを実行することのそれぞれに継続することがうまくいく場合と行かない場合が出てきます。

 

前の項目で「それぞれの費用の適正な金額を見つける」ということを言いましたが、「適正」という言葉がポイントで、要は全体の中での必要性と出来ることかどうかのバランスの問題です。

 

必要性や緊急度が高いもの(例えば借入の返済)であれば、大きな金額であっても必ず支出することになりますし、計画したにも関わらず出来ないものがあれば、なぜ出来なかったのか考えた上で出来る方法を編み出すか、実践することをあきらめるしかありません。

 

そして、「記録、分析、計画、実行」という作業自体が続かないという方も多いかもしれません。簡単に言えば管理ができないということです。計画した節約を実行することについても同じですが、過剰な負担やストレスとならないように取り組むことが一番重要なポイントです。

 

できることから始める

「記録、分析、計画、実行」のなかで一番最初にやらなければならないのが記録することです。家計を見直して改善するためのものですから、見直す対象を数字として把握する必要があります。

 

しかし、家計簿を付けることには時間と労力を要します。そして、家計簿をつけたからといって貯金ができるということでもありません。

 

家計簿をつける習慣がない方や面倒くさくてすぐ挫折してしまう方は最初から完璧に記録するのではなく、できるところから始めて見るというのが王道です。

 

家計簿をつけることの意味は記録すること

家計簿で重要なことは時系列で比較できること、固定費と変動費が区別できること、使いすぎている費目を見つけ出せることです。

逆に、これさえ可能であれば毎日時間を使ってレシートを1枚1枚転記したり入力したりする必要はないことになります。

 

固定費は定額であり支出全体に占める金額の割合が決まっているので、それが多いか少ないかを判断しやすい費目であり、一度削減できれば大きな節約効果が見込めます。

変動費は日々の節約の心がけがそのまま表れる数字となるので、使いすぎの費目を見つけるための手がかりになります。

 

固定費、変動費の細目とその節約方法については、以下の記事でも詳しく書いておりますので、ご覧になってみてください。

関連記事:「生活費を節約して家計を5万円楽にする方法」

固定費の見直しだけをやってみる

月々定額の固定費は1度の見直しでまとまった金額を削減できる費目です。

まず最初に固定費をリストアップしてみます。定額なので前月との比較はする必要はありません。

リストアップして金額の大きい費目を見てみて、それを減らすことができないかどうか検討します。

 

住宅ローンであれば借換できる可能性はないかどうか、自動車保険であれば自分の車の利用の仕方に見合った保険料であるかどうか、通信料金であればスマホを格安SIMに乗り換えた場合に不都合がないかどうか、など一つずつ調べてみることが必要になります。

 

その上で削ることが可能なものがあれば、月額の削減金額が12倍の年間削減金額となるので、家計の見直しで最初に行うべきものが固定費の各費目です。

 

固定費の見直しについては以下の記事でも詳しく解説しています。

変動費のなかで使いすぎを探す

買い物のレシートをすべて記録するのは確かに手間がかかります。

なので、できるところから始めるということでは、減らしたいと思う費目だけを記録するという方法もあります。

 

例えば、食費なら食費に関わるレシートのみ記録することを継続的にやってみます。

それによって、買い物の回数や食材の内容を詳しく見ることができ、節約できるところかないかどうかを考える客観的なデータとなります。

 

減らしたい費目、使いすぎの費目が特定のものであれば、毎月のその品物を買った日にちと金額を記録するだけでも、継続的に削減するための判断材料になり、前の月よりも無駄遣いを削れたことを数字として確認できれば、それを成功体験として続けていく動機づけをより強めることになっていきます。

 

変動費の見直しについては以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:食材で節約する技術のすべて

自分で気づかない使いすぎの費目や改善策を見つけ出す

家計簿をつけて収支を記録しそれを評価するのですが、ライフスタイルや生活パターンは個人や家庭によって千差万別であり、他人の常識が自分の非常識であることが多くあります。

 

長く続けてきた生活パターンはそれが自分にとっては当たり前のことであるので、それが無駄な出費を生んでいたり、大きく節約できる余地があったりすることに気づけない場合も多いのです。

 

そういった点から、家計全般に関する費目の標準的な金額であったり、個別の事情に対する対処方法をを数多く知っているFPに適切なアドバイスをもらうことは有益なことです。

 

費用をかけてFPに相談する前に、ネットの情報を参考にしてみるだけでも参考になることがたくさんあると思います。

 

まとめ

家計簿をつけること一つとってもそうですが、やっている人はあたり前のこととしてやっていて、できない人はずっとできないことではないでしょうか。「継続して管理する」ということは将来を確実なものにするために何事においても必要なことです。

そして、これができるかできないかが、お金で苦労するか人生の主導権を握ることができるかの分岐点になると思います。

「まずは確実にできるところから」を念頭において家計を見直してみて下さい。

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